入社前・内定承諾後の辞退を防ぐためのフォロー・イベントについて解説
内定後の入社辞退に悩んでいませんか?
今回は、内定者のフォローのために人事が行うべきイベントやフォロー方法について解説していきます。
内定辞退には大きく分けて、【内定承諾前の辞退】と【内定承諾後の辞退】の2つがありますが、この記事では、後者の【内定承諾後の辞退】を食い止めるためのイベントやフォローにフォーカスしていきます。
内定辞退や内定承諾後の辞退については別の記事で解説しているのでそちらをご覧下さい。
承諾後の内定辞退が出てしまうと会社にとって大きな損失になります。
これまで行ってきた採用活動の成果が損なわれてしまい、また選考が進められる時期も過ぎてしまっているため、そこから急遽採用活動を再開してリカバリーすることは非常に難しい状況に陥ってしまいます。
また、内定式や懇親会などで内定者同士のつながりが強くなっている場合には、他の内定者を不安にさせてしまうこともあります。
そのような悪影響を極力防ぐためにも、また入社後の仕事に対してモチベーションを上げてもらうためにも、内定者イベントや内定者へのフォローは積極的に行っていきましょう。
形式的には様々なイベントの形をとりますが、内定者イベントはこの会社を志望した理由や内定を承諾するに至った理由や気持ちを思い出させることで内定辞退を防ぐことを目的に行うということを忘れないようにしましょう。
またイベントに参加した内定者に「嬉しかった」など、気持ちよく参加してもらえるようなイベントを行うように心がけてください。
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1.内定者向けのイベント一覧
内定者向けイベントには、様々な種類があります。
この資料では、それらを一覧でわかりやすく記載するだけで無く、それぞれのポイントを分かりやすく解説していきます。
特に、それぞれのイベントを行う際の情報などはそこまでインターネット上などに情報量も多くは無いことから、この記事で細かな点の解説も行っていきます。
職場見学・社内見学会
これは、一般的に行われている内定者イベントで、選考の途中にも会社説明会の一環として行われることもあります。
メーカーや工場では実際に製品を作る現場の見学ツアーなどの形態もよく見られます。
オフィスワークがメインの企業では、現場の社員との交流や座談会、先輩社員の話を聞く場などフランクに社員と交流したりミーティングに参加することも多くなっています。
職場見学会とは言え、内定者のモチベーションを上げられるような内容にする必要があるので、コンテンツはしっかり作りこみましょう。
研修ではないのであまり極端に内定者を業務に参加させるのはやりすぎですが、仕事にイメージを持ってもらいやすくするために、社内イベントに会社見学ツアーを入れ込むなどしても良いですし、業務が少ない日で社員が喋っているだけ、といった状況では業務内容の理解も進まないので、営業系の業務の多い会社であれば月末の締め日に数字を追いかける姿を見てもらうなども有効です。
真剣に仕事に向き合っている先輩社員の姿を見て触発されたりモチベーションの向上につながります。
ポイントとしては、どのような形にしても現場の社員にはしっかりと周知し、成功のために協力してもらえるのが必要不可欠です。
特に学生は現場社員からのちょっとした挨拶や思いがけない一言などに対して、かなり印象を引きずられるケースがあります。
このようなさりげない一言で、入社したい意欲がなくなってしまうこともあれば、逆にその一言で、入社をしたいと感じるケースもあります。
だからこそ、応募者に魅力的に感じて貰うためにも現場社員の協力が必要なのです。
また、このような見学会は人材の採用のシーズになると、何度もセッティングをしていきますので、場合によっては、現場の社員の負担になってしまうこともあります。
だからこそ、現場の社員のフォローを行い、応募者に気持ちよくなってもらえるようにしましょう。
また、よく寄せられる質問として、「見学内容がリアルすぎると引いてしまわないか」というものがありますが、既に業務内容に対して不安を抱えている内定者でなければ影響は薄いのでそこまでの心配はいらないでしょう。
寝ている子を起こさないように(不安を抱えている内定者の不安を増大させないように)辞退の可能性のある内定者へのアプローチを避けがちな人事担当者もいますが、そのような不安は放っておけば育つだけなので、内定者フォローの大原則として、積極的にアプローチして不安を解消していくという姿勢を持ちましょう。
また、1つ注意点として、当たり前ではあるのですが事故には最大限の注意を払いましょう。
雇用前においては内定者とは言え労災が降りないことも多くリスクが高いです。
特にメーカー等は、労災関係の問題には非常にセンシティブなので現場見学などでは頭に入れておきましょう。
食事会(内定者懇親会)
職場見学会のあとに設定されることも少なくないイベントが【食事会(内定者懇親会)】です。
この【食事会(内定者懇親会)】も多くの企業で行われている代表的な内定者イベントです。
東洋経済における調査では、新型コロナウイルスが問題になる以前は実に7割の企業で予定されており、また、多くの学生にも支持されていることが分かっています。(https://toyokeizai.net/articles/-/240834?page=2 )
この【食事会(内定者懇親会)】を行う際には内定者のフェーズを可能な限り整えておきましょう。
採用数が少ない企業ではごちゃまぜにしてしまう場合も多いですが、内定承諾前と後の状態が混在すると内定を既に承諾した人を再度悩ませる原因になります。
一般に現場社員の参加するものは「食事会」、人事と内定者のみで行われるものは「内定者懇親会」と呼ばれます。
どちらを行っても良いのですが、それぞれにメリットとデメリットがあるのでそれを理解した上で設定するといいでしょう。
先輩社員がいる場合は実際の現場の話を聞けるというメリットはあるものの、人事側でコントロールするのが難しく、学生に言って欲しくないようなことを言ってしまったり、学生も気を使って質問などを投げかけ、会話が現場社員中心になってしまい内定者同士の交流が減ってしまう可能性もあります。
ただ、これらの問題は現場社員に採用に貢献する上でのインセンティブを与えることで改善可能なものが多いため、評価アップや賞与などの仕組みを作ることで、現場社員も採用に前向きになり人事の目線で食事会に参加してくれるようになるかもしれません。
現場社員の参加しない内定者懇親会の場合は内定者と人事のみで行われるので、人事側も時間の合わせづらい現場社員との調整も無理にしなくて済む上、指示を出す必要もなく、コントロールがしやすいことが強みと言えます。
また、内定者同士でもコミュニケーションがとりやすく仲を深められるきっかけにもなります。
一方で人事の人数によっては全員に目が届かないことになってしまうので、人事1人につき学生5人から7人程度、全体で多くて20人程度の規模に抑えるのが無難でしょう。
多すぎると会場の確保も難しくなります。
食事会や内定者懇親会の設定の仕方、準備
スケジュールに関しては、事前にメール等で全員の出欠を確認しましょう。
その際には、出来る限り複数候補日を挙げて選んでもらうようおにした方が良いでしょう。
単一の場合だと、その日にどうしても参加できないケースもあれば、無理矢理でもその日程に参加しろという無言のメッセージに感じてしまう学生もいます。
それ翻って、他の会社の選考を受けさせない、【オワハラ】だと認識されてしまうリスクすらあります。
だからこそ、候補日時は複数用意しておきましょう。
日程の連絡はできれば2,3週間前には行いたいところです。
服装に関しても人事側から「普段大学に行かれる服装で」など極力具体的に指示しましょう。
髪色は社風に合わせて黒髪でなくても大丈夫など一言あると親切です。
髪を染めている学生は裏を返せば就活が終わっているということになるので、プラスに受け止めましょう。
場合によっては、内定を承諾したあとにも影で就職活動を継続している人もいます。
そのあたりのところも見分けることにも繋がりますので、服装や頭髪などに関しては学生への配慮をもった指定にしていきましょう。
また配布資料があればカバンを持ってきてもらう他、アレルギーがあれば事前に知らせてもらいましょう。
【オワハラ】という言葉が出ておりますが、以下の記事はオワハラ対策について解説したものとなっていますので、興味のある方はぜひあわせてご覧ください。
日程調整においては開始時間、終了時間を強く意識しましょう。
アルコールはあってもいいですが、遠方の学生のことも考慮して遅くなりすぎないことを徹底しましょう。18時か18時半開始、20時台には解散できるのが理想です。
交通費や参加費は当然会社で負担するのがベストですが、よくある1人3000円から4000円の居酒屋には学生も行き慣れているので、満足度を上げるためには予算を上げて行くと良いでしょう。
例えば、一人あたり1万円を超えるくらいのランクのお店にすると、学生側の意向醸成にも繋がるでしょう。
ジャンルとしては、食べることや焼くことに夢中になりがちな焼肉は避け、高めの和食やイタリアン、あるいは居酒屋などがいいでしょう。候補が上がれば事前に人事で下見に行くと確実です。
極論を言えば、内定者はお客様であり、もてなすというくらいの意識があってもいいかもしれません。
レクリエーションなどを混ぜて大規模なイベントにするのであれば立食もありですが、費用に対しての学生の満足度は下がってしまうのでおすすめはしません。
集合場所は会社の入っているオフィスビルのエントランスなどわかりやすい場所を指定しましょう。遅れてくる学生用に会場の場所を事前に伝えておくのが無難です。
飲み会のコンテンツ作りは事前にやっておきましょう。
グループワークや簡単なゲーム、クイズなど小道具的コンテンツを用意して盛り上げます。スピーチなどを学生に課すのであれば事前連絡が必須です。
最初は率先して食べることに遠慮する学生も多いので人事から促して食べてもらうといいです。
終わったあとにはお土産を用意していると満足度を更に上げられます。内定者で二次会に行くとしても人事はついていかないようにしましょう。
それが二次会に行かないで帰る内定者や、家の場所的に参加できない人のフォローにもなります。
このように、単なる食事会や内定者懇親会ではありますが、配慮しなければならない点は無数にあります。
ここで挙げた点をしっかりと意識して準備するだけで無く、模擬練習などを行うなどで満足度のたかい食事会や内定者懇親会になるように意識しましょう。
単に食事会や内定者懇親会を開催してやれば、学生は満足するだろうという気持ちで、適当に開催するのは御法度です。
採用の競合である企業等は、学生1人を採用するために、数十万円から100万円近くを投下しているケースもあるほどです。
だからこそ、学生を採用するために、しっかりとした準備をする必要があるといいう認識を持つようにしていきましょう。
eラーニング
入社後に必要になる知識やスキルをオンライン上で学びます。
出来れば、一般の新卒が得ておくべき常識なものではなく、自社のオリジナルのものをしていくといいでしょう。
その際には、eラーニングのクオリティーにも要注意です。
クオリティーの低いものだと、かえって学生側の意向を下げかねません。
内容にこだわるだけで無く、見た目のデザイン面にもこだわっていきましょう。
オリジナルのものだと、内定者の対応に力を入れてることを伝えられる上、自社の業務やそれに付随するスキルの学習に特化した内容になるため当然効果も高くなります。
自社で作るのが難しい場合は、ぜひ当社にご相談ください。
一般的にイメージする「イベント」とは異なりますが、入社までにスキルをつけたい、準備したいというニーズに応えることでモチベーションの維持にもつながります。
採用チームの企画業務、内定者アルバイト
これは、一言で言えば人事のお手伝いです。
次の世代の採用業務を手伝ってもらいます。
大手であり、採用人数の多い企業であれば一部の能力高い学生に限定してもいいですし、ベンチャーやスタートアップなら内定者全員に関わってもらうこともあります。
インターンシップの手伝いなどを通して自社の魅力を自分の口から話してもらう機会を作れるため、志望した理由などを自分の中で再発見してもらうことができます。
内定者アルバイトの場合も、人事業務に関わるものであれば同様の効果が期待できます。
グループワーク
独立してこのために集まってもらうものではなく、食事会などの中で行います。
ボードゲームやチームビルディングが代表的なものですが、社内に配る新聞の共同作成などを課すことで内定者の結束が高まるだけでなく、この会社を選んだ理由が改めて腑に落ちるなどのメリットがあります。
内定式
ほとんどの企業で毎年必ず行われています。開催することで踏み絵として機能するため、事情が有ってこれなかった学生には内定辞退の可能性を考慮して積極的にフォローを行っていきましょう。
【内定者フォロー】内定者SNS
入社予定者のみがログイン可のシステムで、内定者への連絡事項などを伝達します。
比較的最近登場したシステムなので、利用の仕方はやり方は会社によって様々あります。フォローに力を入れた活用をすれば、内定者辞退につながるきっかけづくりにもなり、内定者のつながりを強める働きもあります。
ただ、運用方法が難しく、グループラインだけ作成してあとはうまく運用できていないことも多々あるのがこのSNSです。
専門の内定者フォロー用のツールもあれば、LINEなどの既存のSNSを活用するケースもあります。
ツールはなんでも構わないので、運用できるのであれば運用計画や人数に合わせて色々なものを使い分けてもいいかもしれません。
内定者通信・内定者社内報
内定者向けの新聞です。
内定者向けの情報がSNSなどを使った必要事項の連絡のみになってる場合も多いため、社内報などを送付することで違った効果が望めます。
メールでも問題ありませんが、印刷されたものだとじっくり見てもらえる可能性もあがりますし、内定者の親御さんに対するアピールにもなります。
印刷したところで大量に発行するわけでもなくコストも低く抑えられるので内定者のフォロー方法としてはおすすめです。
全く連絡がなければ内定者は不安になりますが、連絡のきっかけがなくて困っている企業も多い中、連絡の口実として機能し、不安の解消に役立てることができます。受け入れ準備の過程を見せることで安心感にもつながります。
まとめ
この記事では、内定者辞退を避けるために内定後に行える主なイベントやフォロー方法についてを解説してきました。
このようなイベントやフォローはほとんどの企業が行っており、学生側も行ってほしいと望んでいます。
今回は内容のクオリティーにもっとも差がつきやすい食事会・内定者懇親会を中心に解説してきました。
弊社では内定者イベントやフォローに関してのサポートの採用コンサルティングサービスを行っております。
合わせて、企業オリジナルのEラーニング教材の作成なども行っており、採用に関する全般のコンサルティングサービスを提供しています。
是非、内容に興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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