今回は採用人事の中でも設計や企画を担当されておられる方が頭を悩ませる、1dayのインターンシップの満足度を高める改善方法を解説していきます。
現在は約9割の就活生が何かしらのインターンシップに参加しているといわれており、日本のほとんどの企業がインターンシップを企画・運用しています。
ただし、このインターンシップの内訳は「1ヶ月以上の期間を要する長期インターン」や
「数日間の期間で構成される短期インターン」、
「半日〜1日で完結する1dayインターン」など、
複数のインターンシップの種類を踏まえた割合です。
中には、「実質的に説明会と変わらないインターン」も含まれる点は留意すべきでしょう。
日本のほとんどの企業が何らかの形でインターンシップを運用しているため、現在はその内容や構成の差別化が非常に難しくなってきていると言えるのではないでしょうか。
だからこそ、インターンシップの成功につなげるには「内容をいかに効率化し、学生の満足度を高めていけるか」が重要だといえるでしょう。
そこでこの記事では、採用のプロのコンサルタントであるプロ人事が、1dayインターンに焦点を当てて、インターンシップに求められるポイントと、参加した学生の満足度を上げられる手法をご紹介します!

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1dayインターンについておさらい
改めて、「1dayインターン」の特徴や定義について軽くおさらいしましょう。
原則「半日〜1日で完結する」インターンシップを指します。
期間が数日〜1週間程度のものは「短期インターン」 (またはサマー / ウィンターインターン)
1ヶ月以上の長期にわたるものは「長期インターン」と区別されます。
インターンシップでは実際の企業での実務を体験し、仕事への理解を促すことが目的です。
そのため時間が限られる「1day / 短期インターンシップ」の内容はゲーム感覚でのワークショップや雑務、業務の説明が多い傾向にあります。
一方所用時間が多く取れる「長期インターン」ではより採用後の即戦力として育成するために、実際の業務を指導・学生に従事してもらうことが多いです。
この特徴から、長期インターンシップでは学生側に給料をお支払いする場合もあります。
企業説明会とインターンシップの違いとは?
インターンシップと説明会は少し混同されやすいのですが、説明会の場合は完全に採用活動の一環として行われます。
もちろん、インターンシップも大前提としては採用活動の一環ですが、職業体験という側面を重視して行われることから、必ずしも採用活動につながるとは限りません。
ただし、企業説明会とインターンシップの境界は企業や業界によって曖昧な部分もあります。
そのため、原則1dayインターンは一日で行われる職業体験であり、同時に学生のプレエントリーの側面も担うと把握すると良いでしょう。
1dayインターンに学生が求めている事とは?
ここで、リクルートが学生に対して行った「インターンシップを通した学んだ内容」についてのアンケート結果を見ていきましょう。

以下4点の回答が上位かつ3割以上の学生に挙げられているのは重要なポイントです。
- 業界・企業・職種理解が深まった
- 自己分析が深まった
- 就活の予行演習になった
- 社会人との会話に慣れた
まずは1dayインターンで業界や会社の理解を深めてもらうことが最重要といえるでしょう。
加えて、「就活の予行演習になった」と「社会人の会話に慣れた」という回答は
「面接や就活の予行演習」とまとめることが可能です。
このことから、インターンシップで学生から求められる軸は以下3点になるでしょう。
- 企業や業界への理解を深める
- 面接や就活の予行演習
- 適正や就活の軸を深める自己分析
そして、1dayインターンは所要時間が限られることから、この3点の軸にしっかりフォーカスを当てて内容を構成することが大原則です。
裏を返せば、この3点をしっかりと学生側に伝える事が出来れば、1dayインターンシップの満足度を高める事に繋がると言えるでしょう。
1dayインターンの企画構成の方法
では、限られた時間の中で学生の満足度を上げるために、私たちはどの点に留意して企画構成をすべきでしょうか。
実際の企画構成の手法について確認しましょう。
軸①:企業や業界への理解を深める
インターンシップの最も重要な点が「企業や業界への理解を深める」ことです。
特に、ただの「企業研究」だけにさせないよう留意するのがポイントです。
実際の運営ではインターンシップでも会社の紹介に時間を使いすぎてしまうことがあります。
また、内容も会社説明会の資料や口頭での説明と重複する傾向です。
従来の1dayインターンではよくある手法として、会社の情報を説明する「講義型」が多く開催されていました。
しかし、それだけになってしまうとただの説明会になってしまい、学生の企業に対する理解度と1dayインターンの満足度が上げられません。
学生は業界や企業に漠然としたイメージしか持っていません。
効率的に理解を深めるには説明に徹するのではなく、実際の業務を簡易にしたものを学生に体験させる「体験型」か、少人数でグループワークで行う「ワーク型」を取り入れていくといいでしょう。
「体験型」「ワーク型」で心がけたいポイント
業界の理解を促すようなワークを設定した際、学生にも考えさせるきっかけとしてアウトプットの場を用意することをおすすめします。
1dayインターンシップはあくまで会社の理解を促す場とされているので、うまく使えば学生の情報をゲットすることも可能です。
普段は学生の考える志向性はわかりにくいですが、「体験型」「ワーク型」の手法でアウトプットの機会を入れ込めば、彼らの情報を獲得しやすいでしょう。
また、この志向性をインターンシップなどで獲得する事ができれば、それを元にインターンシップ以降のフェーズの面接などの場面で活用することも可能です。
先行を行う学生毎の志向性に合わせたトークをしていくことにより、学生の志望度を高めていくヒントとして活用することができるでしょう。
オンライン上の1dayインターンではどうする?
2010年代までは少人数でワークを行っていくのが正しいアプローチだと言われていました。
しかし、2020年に発生した新型コロナウイルスの影響に伴い、オンラインでの1dayインターンの開催が増えました。
オンラインでは対面に比べて業界や企業への学生の理解が浅くなってしまうため、その対策が重要になっています。
Web上でできる簡易なワークが人気ですが、グループディスカッションもzoomなどのオンラインコミュニケーションツールで活用できます。
様々な手法を導入、検討し、自社にマッチした手法を取り入れていきましょう。
企業が心がけたいポイント
インターンシップの企画構成時に以下の点を実施することをおすすめします。
- インターンシップに参加して欲しい学生の特徴
- 彼らが求めそうな企業・業界の情報
- ターゲットに選定した学生の特性、所属学部への理解
企業にとってインターンシップはまだまだ採用活動の初期の段階なので、つい母集団の間口を広げる動きをしてしまいがちです。
一方で学生はインターンシップを通してこの業界・会社に向くのか判断したいと思っています。
インターンシップは短期間でも企業・学生の双方のマッチ度を見極める場にもなります。
そのため全員に向けたものよりも、ターゲットに選定した学生に対してしっかりと届くように企画構成をしていきましょう。
軸②:面接や就活の予行演習
インターンシップの設計の段階で意識しておきたいことの一つが「インターンシップは就活や面接の予行演習」になることです。
つい多くの企業がこの点を見落としがちですが、学生はインターンシップを就活や面接へのファーストステップだと捉えています。
1dayインターンを通して学生が「就活や面接の予行演習」に対して成功体験を積んでもらえれば「この会社でなら活躍できそうだ」という手応えを感じさせることができるでしょう。
もちろん、それが「自社」だけではなく、「社会人になっても通用しそう」とか「面接でなんとかなりそう」といった「就活や社会人としての全体の考え方」でも有効です。
ただし、「インターンシップ=就活や面接の予行演習」と大々的に銘打ってしまうと、失敗した時に本人の承認欲求が満たされないと感じられてしまいます。
そのため、上記の意図を明言化せず、「インターンシップの参加を通して学生が就活や面接に対して自信を持ってもらう」仕組みづくりと、それを実現するプログラムを構成することを心がけましょう。

「マズローの5段階欲求説」では、自分の可能性や能力を最大限に高め発揮したいと考えており、それは人生の中でより高いレベルでの「自己実現の欲求」と言われています。
また、さらに1段階低い欲求では他者から認められたいという「承認欲求」もあります。
このことから、自分の力を最大限発揮でき、周囲から承認・賞賛してくれるような環境に身を置きたいと考えるのは自然なことだと言えるでしょう。
逆に、人は承認されないような環境には飛び込みたくないとも言い換えらえます。
1dayインターンのプログラムで「成長できた」「自分でも大丈夫そうだ」という感覚を持ってもらえれば、企業と学生の信頼関係を強固にすることができるのです。
「あの会社のインターンシップや印象が良かった」という話から、直接参加した本人の応募はなくとも今後彼らの友人や知人などへのリファラル採用につながる可能性もあるでしょう。
成功体験に繋げるために「異なるフィードバックプログラム」を活用してみよう
私たちプロ人事が有するインターンシップのノウハウの一部に、「異なるフィードバックプログラム」があります。
これを利用すれば、マッチしてほしいと思っている学生に気づかれずに全員を評価することができます。
このプログラムでは、インターンシップにおける評価の工程を1つだけ絞るのではなく、複数の評価工程を事前に用意します。
学生に対しては少なくともその中からいずれか1つの評価を得ることができるようにしていきます。
そのように評価ポイントを複数用意することによって、できる限り参加学生の全員が、承認されているという感覚を与えることが可能です。
複数のフィードバックを用意することで企業が参加学生に対して高評価を頻発し、参加学生から「この会社は採用できれば誰でも良いと考えているのでは?」と疑問を抱かれることを回避できるのです。
また、このフィードバックは当日行うものと、後日個別にメッセージを送るものに分けておきます。
複数分けておけば学生側に「この会社は全員、誰でも誘おうとしている」と思わせる事を少なくすることも可能です。
軸③:適正や就活の軸を深める自己分析
「自己分析が深まった」という学生側の手答えについては、これは絶対に1dayインターンシップで意識してほしいポイントです。
多くの場合、自己分析は学生が自分で勝手にやるものだと思っていますが、これは企業からすれば正直非常にもったいないです。
これをインターンシップの時間を使って行ってあげることで様々なメリットが得られます。
具体的な手法・ステップを紹介しましょう。
まず、オリジナルの自己分析シートを作成し学生に配布します。
できればその場で記入させる時間を設けるのがいいでしょう。
1dayインターンシップでは企業や所属している業界を伝える時間が限られます。
わずかな時間で学んだ業界の情報だけでは、業界への適正を含めた学生自身の自己分析ができているケースは殆どないでしょう。
また、自己分析は本当の自分に向き合わないと効果が十分に発揮できません。
学生にとっては半ば強制力がない限りは中々やりたくないのが本音です。
そこでインターンシップの場を活用して、自己分析を行う機会を設けるのが有効でしょう。
市販の適性検査を使っても差し障りはありませんが、有料のものは独自の質問を組み込めないデメリットがあります。
独自の質問を入れるほうが今後の選考においても差別化がしやすいため、可能な限り所属企業に適した自己分析を手作りしていくことをおすすめします!
学生に記入をお願いいた自己分析シートを回収することが非常に重要です。
自己分析は「学生自身のためのものなので回収していいのか」と思われるかもしれません。
そこで、「後ほど分析結果を返すから」とお伝えすれば、自然に回収することができます。
学生の書いた自己分析シートには中々得ることが難しい学生の本音が詰まっていますので、今後の学生の採用において非常に重要な武器になるでしょう。
STEP1,2で記入・回収した「自己分析シート」を元に、「自己分析結果レポート」を作成し、学生に配布します。
学生の満足度を高められるよう、分析結果レポートはしっかりと作り込みましょう。
得られた結果の分析方法は、企業が運営しやすいもので差し支えありません。
独自に解析プログラムを組んでもいいですし、独自のチェックシートのようなものを作って人事が手計算した上で何パターンかのアウトプットを用意して記載してもいいでしょう。
企画構成が難しい場合は「プロのコンサルに頼る」選択肢もあり!
1dayインターンは個々の企業ごとに企画構成や運用方法に大きな差異があります。
そのため、ノウハウの取得や応用が難しいです。
1dayインターンの運用歴が浅い、インターンシップを実施しても採用に繋がらないとお悩みの企業は、プロのコンサルに頼ることを検討してみることをおすすめします。
1day / 短期インターンの運用代行の依頼ポイントはこちらの記事でも解説中です!

1dayインターンに寄せられる、よくある質問
プロ人事で1dayインターンの企画や代行のコンサルティングを行う中で質問をいただくことが多々あります。
その中でも多く寄せられる質問を抜粋し、詳しく解答していきます!
- 1dayインターンの運用を他社に代行依頼しても大丈夫?
-
問題ありません。
むしろ「採用代行 (RPO)」のノウハウを持つプロに代行した方が、
得られるメリットが大きいです!1dayインターンを弊社含む他社に代行を依頼する際、以下の声や疑問を多く寄せられます。
インターンシップは会社の理解を深める場だけど、会社の人間以外に頼んでいいの?
人を採用するという大事な業務内容をを社外に出してもいいのか?
会社の良さが社外の人に分かるはずがないのでは…?
しかし、1dayインターンは会社の魅力を初めて出会う学生に伝える場です。
会社というものをうまく伝える、「伝えるプロに頼む」ということ。
しかも、1日という非常に短い時間でその会社のことを知ってもらうという意味では、「伝えるプロ」が伝えた方がいいでしょう。本来であれば「長期インターン」のようにある程度の時間を確保した上で、学生が会社の中に入り一緒に業務を経験するのが理想です。
ともに業務に取り組めば、きちんと仕事の楽しさや壁に当たった時の課題解決などの苦楽を肌で感じられるのが重要でしょう。とはいえ、「長期インターン」のような特性を1dayインターンで実現するのは不可能です。
だからこそ「企業や業務の魅力を伝えるプロ」である代行会社に依頼・活用するがはるかに学生を魅了するような訴求をすることができるのではないでしょうか。 - 「1dayインターン」を運用代行する際に、
気をつけたいポイントはありますか? -
「1dayインターンの人気企業になること」が
目的にならないよう留意しましょう。我々のようなコンサルティングサービスを利用する中で、「1dayインターンの人気企業になることが目的に変わっている事例」が多いです。
弊社は学生から人気がある1dayインターンを行う企業のコンサルティングなども入らせていただいています。
上記の特性を持つインターンシップは学生は当然多く集まりますし、1dayインターンからの応募で母集団形成が十分行えるなどメリットは大きいのは確かです。
1dayインターンで人気になれば優秀な人材を総取りできるチャンスもあるでしょう。しかし日本全国の企業が採用のライバルになることから、そこに至るまでの道のりはかなり過酷です。
一朝一夕にはいかないからこそ、1dayインターンで人気企業になるのを目指すのはコスパが悪いと言えるでしょう。重要なのは、1dayインターンに参加した学生の満足度を上げて、次の選考へ進みたくなる意思を醸成することです。
上記の目的を踏まえた上で、1dayインターンの運用代行・企画構成を行うことをおすすめします!
【プロ人事オススメ!】インターンシップについての関連記事をご紹介
いかがだったでしょうか。
ここまで、1dayインターンの運営方法と、学生が求めているポイントについて解説しました。
最後に、こちらの記事をご覧頂いている方におすすめしたい記事の紹介になります。
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