フリーランスと聞いて思い浮かぶのはITエンジニアやクリエイティブ系のものではないでしょうか。
近年では働き方も様々な形態のものがでてきてきており、人事や採用代行の業務もフリーランスとして働くケースも増加してきました。
しかし、採用業務に関しては先に挙げたような業務とは異なる注意点があります。
フリーランスで採用代行を行う際は、思わぬところで法令に抵触する可能性があるからです。
そこで今回は、採用代行をフリーランスで仕事をしたいという方向けに、注意点やポイントをプロの人事が詳しく解説します!

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フリーランスとしての人事はやや特殊?
近年では働き方が多種多様になり、あらゆる業務において人材がフリーランスや業務委託として働くケースが増えてきました。
とはいえ「採用」という業務をフリーランスで行う際は法律面の観点で留意しておかないと、思わぬところで法令違反につながる可能性があります。
そこで、この記事では採用代行や人事業務をフリーランスとして働く際に注意すべき点と、フリーランスでの採用代行の求人の探し方やポイントを、プロの人事がご紹介します!
採用代行の業務内容
採用代行は「企業の人事に代わって採用業務を行う」ことを指しますが、その業務は幅広いです。
2006 (平成18)年に厚生労働省が調査した採用代行業務では、応募者との連絡対応や採用ポータルサイトの作成、面接・説明会の代行などを依頼していることが判明しました。

引用:労働者の募集・採用に関する実態調査報告書(平成18年実施)(委託先:(株)三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
「第三章 採用業務代行サービスの利用に関する実態調査」p5 図表3-2-4| 厚生労働省ホームページ
※本データをもとに著者がグラフを作成しています。
また、直接応募者へアプローチするダイレクトリクルーティングも採用代行に当てはまります。
フリーランスで採用代行をするには?
もしフリーランスとして採用代行を行う場合は「有料職業紹介事業者の免許を保有している企業と業務委託契約を結ぶ」形をおすすめします。
この形であれば、「クライアントは有料職業紹介事業者の免許を保有する企業に採用代行を依頼する」構図になるので、法的リスクもありません。
また、フリーランスとして働く本人にとっても免許を保有している企業と業務委託契約を結んでいるので、安心して働けるのではないでしょうか。
この手法はフリーランスで採用代行を行う際に主流で取られる方法ですが、次章で解説する手法の場合は要注意です。
法令違反やキャリアへの悪影響のリスクが発生するため、詳しく見ていきましょう。
採用代行をフリーランスで行う際に注意したいこと
採用代行フリーランスで行う際に一番気をつけたい最大のリスクは、「委託募集」に当てはまるかという点です。
雇い主(企業・委託主)が労働者を雇用する際に、被用者(自社の従業員:人事)を使わず委託企業(採用代行を行う法人等)に依頼して採用活動を行う場合を指し、職業安定法第36条「委託募集」で定められています。
社外の人間が採用に直接的に関わることを禁止しており、採用代行を外部に委託する際のリスクとして考えられています。
もし委託募集を行う場合は「雇い主(企業・委託主)」と「委託企業(採用代行を行う法人等)」の双方が厚生労働大臣からの許可、または事前の届出を行わなくてはいけません。
引用:・職業安定法(◆昭和22年11月30日法律第141号) | 厚生労働省ホームページ
つまり、「採用代行に関する許可や免許を【取得していない】フリーランス」が、「人材採用を考えている企業をクライアントとして【直接】採用代行業務に関わる契約を結ぶこと」が問題視されているのです。
上述の「有料職業紹介事業者の免許を保有している企業と業務委託契約を結ぶ」形であれば「人材採用を考えている企業と有料職業紹介事業者の免許を保有する企業との契約」になるので、上記の懸念は解消されます。
この契約内容は実質的にはグレーゾーンのような取り扱いをされています。
しかし万が一採用に関して問題が発生した場合、この契約を遡って法令違反のリスクの指摘や、クライアントからのクレームに発展する可能性があるため、注意が必要です。
前提として採用業務は誰にでもできるわけではありません。
まず諸々の許認可をしっかりと取得し、職業紹介事業者のように職業紹介に関するノウハウと必要な法令の知識を持ち合わせていることが、実際の採用業務に従事する上での必須条件です。
フリーランスの方やこれからフリーランスでの従事を志望している方は、上記の免許や必要な知識を保有した上で会社と契約するようにしましょう。
採用代行の違法性についてはこちらの記事で詳しく解説しています!
併せてご覧ください。

採用代行の求人の探し方
ここからは、採用代行依頼する個人事業主を募集してる場合の、求人の探し方について解説していきます。
「お問い合わせ・よくある質問」のページに遷移します。
探し方①:求人サイト(Indeed)
ごく少数ではありますが求人サイトでフリーランスの採用代行の案件は求人サイトで公開されています。
とりわけIndeedでの掲載が多い傾向にあるため、求人サイトで案件を探したい方にはおすすめです。
Indeedの場合は応募者が気になる案件を検索して探す手法をとっています。
応募者が興味を持つキーワードで検索している人に対して求人を直接的に伝えることができるため、募集する側にとっては費用対効果の観点から採用代行の求人の出稿にうってつけの採用媒体といえるでしょう。
「求人サイト」での掲載が少ない理由
採用の求人については、案件ベースが主流です。
そのため基本的には人材紹介や大きな求人広告などを使って募集するケースはごく少数でしょう。
確かに、採用代行を事業として展開する企業の営業職では正社員として募集するケースもあります。
しかしフリーランスで働きたい場合は短期での契約解除につながるリスクを考えることから、人材を募集する側としては採用コストを回収できないリスクを感じてしまうでしょう。
折り込み広告や求人雑誌等の掲載も割高と考える企業が多いこともあり、どうしても求人広告に予算を割くことが難しいのが現状です。
探し方②:会社に直接アプローチする
とても地道な方法ですが、「有料職業紹介事業者の免許を保有している企業」にフリーランスでの採用を直接アプローチする手法もあります。
まだ人材を大々的に募集する段階ではないけれど、詳細を精査しているという事例は意外と多いです。
求人広告にかかる工数や時間、コストや上記の回収可否を考えるならば、このタイミングで条件・スキル面でマッチングする人材が連絡した時点で採用する可能性も大いにあるでしょう。
探し方③:リファラル採用を利用する
リファラル採用とは、「会社の社員がリクルーターとなって一緒に働きたいと思う人材を自身の友人・知人の中から会社に紹介するという」採用手法の形態の一つです。
一種の「知り合い紹介」と捉えていただくとわかりやすいでしょう。
リファラル採用であればすでに社内に所属している人からの紹介ということもあり、ある程度人となりやスキルが把握できているというのが大きなメリットです。
ただし、リファラル採用はすべての企業が導入しているとは限りません。
導入している企業でも採用につながるかどうかは他者の依存やタイミングに左右されるため、リファラル採用を案件応募の主軸にするのでなく、あくまで手法のひとつとして参考にされることをおすすめします。
法的リスクを知った上で、自分に適した働き方を実現させよう!
フリーランスは柔軟な働き方が実現できることが魅力ですが、同時に経費精算や行政への届出といった、今まで会社が対応してくれた業務をすべて自分で行わなくてはいけません。
また、法的リスクについてもきちんと知識をつけておくことが、今後のキャリアを大きく左右するといっても過言ではないでしょう。
法的リスクは知らないうちにリスクを犯したり、グレーゾーンの扱いだからと軽視しがちな事例もあります。
しかし、一度抵触してしまうと「知らなかった」「分からなかった」で済ませることはできません。
信用問題に発展すれば、今後の仕事にも大きな支障をきたすことは避けて通れないでしょう。
さらに、場合によっては本人だけでなく発注した企業側にも大きなダメージを負う事例もあります。
業務に必要な法令や知識ははフリーランスで働く皆様だけでなく、取引する相手のことも守ります。
フリーランスで採用代行を行う際は、この記事を参考にして法令遵守の姿勢を得ていただけますと幸いです。