圧迫面接のメリットやデメリットとともに圧迫面接をやめる方法についてもご紹介!
主なターゲットは人事や経営者を想定しています。人事担当者の方や経営者の方向けに、圧迫面接になっている際にどのように改善できるのかを答えていく記事になっています。
そのため基本的に企業側向けのものですが、応募者もこれを読むことで企業が何を考えているのか理解するための材料にすることができるかもしれません。
その面接、知らず知らずのうちに圧迫面接になっていませんか?
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1:圧迫面接とは
「圧迫面接」は就職活動を控えた学生のほとんどどが知っているくらい一般的になっている言葉ですが、定義が曖昧になっている部分もあります。
基本的にはこれが圧迫面接である、という明確な基準はありません。
言うならば応募者が「圧迫面接だ」と感じたらそれは圧迫面接であるというふうに言うことができるでしょう。
要素としては、採用選考の面接において面接官が応募者に答えづらい質問をしたり、理詰めで追い込んだり、威圧的な態度を取ることがよく見られます。
そのように振る舞うことで応募者の本心に迫ろうとすることが多いようです。
1-1:圧迫面接のメリット
圧迫面接を行っている企業の多くで大義名分のように掲げられているのが、ストレス耐性がわかるという点です。
ストレス耐性が低い場合には、面接で追い込んだ際に逃げ出してしまったり泣いてしまったりすることがあり、それによって実際の業務でストレスがかかった際の対応を見極めるというものです。
ただし、後述しますが圧迫面接によって応募者の実際のストレス耐性が見極められるかについては疑問が残ります。
また、応募者の本音に近づくことができることもメリットとして挙げられるでしょう。
1-2:圧迫面接のデメリット
応募者側の心象が極めて悪くなるのが最大のデメリットではないでしょうか。
近年圧迫面接は採用の場面でも歓迎されないですし、実際の業務においても圧迫的な対応を行うことはパワハラと認識されてしまいますので、現代の労働環境では行うべきではないと言えるでしょう。
また、ストレス耐性が見極められるというメリットを上げましたが面接だけで全てを見極められるわけではありません。面接ではなんとかなったものの業務ではうつ病が発症してしまうという例も数多くあります。
また、圧迫面接を行ってしまうと口コミで悪く書かれてしまうことも少くありません。
会社の評判を落とすことに繋がってしまうのです。
そのように考えると圧迫面接はできる限り避けていくべき手法だと言えるのではなでしょうか。
2:圧迫面接の実態とは
このように、我々としては圧迫面接を組織的に行うメリットは少ないと考えています。
多くの人事や経営者も圧迫面接はやるべきでないと思っているでしょう。
しかし、経営者がやっていないと思いこんでいる一方で、実際には圧迫面接になってしまっているケースも少なからず存在しています。
採用の現場において実際にどういったことが行われているのか改めてデータで見ていきましょう。
就職活動において6割以上が圧迫面接を経験していると答えています。
人事の方は「圧迫面接はもう古い」「うちは圧迫面接なんてやっていない」と考えているかもしれませんが、この結果を見ると知らずしらずのうちに圧迫面接になってしまっているケースも考えられるのではないでしょうか。
つまるところ、知らず知らずのうちにでも圧迫面接になってしまうことで、面接官の人柄への評価が下がり、採用の機会をみすみす逃してしまっているのです。
ここまで圧迫面接による機会損失について解説してきました。
やっていないつもりでも知らないうちに圧迫面接になってしまっている可能性もある中で、圧迫面接をやるべきか否かの議論はここではしません。
重要なのは、実際に圧迫面接になってしまっている場合に、どうすればそれをやめることができるのかというポイントでしょう。
面接官によっては圧迫面接をわざとやっているケースもあり、また知らず知らずのうちにやってしまっているケースもあります。
ここからはそれぞれのケースについて解説していきます。
3:圧迫面接のやめ方〜わざと圧迫面接をやっている場合〜
3−1:根拠をもって圧迫面接の実害を伝え、面接官に打診する
どこまでやめたいと思っているのかの本気度によりますが、経営層側からデメリットなどをしっかりと提示してやめるように促すことが重要です。
ただ非常に難しいのが、人事担当者がやめさせたいと思っていても面接官のほうが立場が上なケースです。
特に最終面接の面接官などの場合、該当の面接官は役員や経営者であったりするでしょう。
そのような場合、立場的に人事が主導権を握ってやめさせるのは難しいかもしれません。
しかし面接官の業務には、応募者をジャッジするだけでなく、優秀な応募者であれば入社するように口説くことも入っています。
我々のようなコンサルタントが入るような会社では、選考フロー全体で応募者の情報を共有し、魅力に感じるポイントを重点的に強調して行くことで応募者の意向醸成を行っています。
対象が優秀な人材であればあるほど、自社を選んでくれるように説得することは重要性を帯びていきますが、その意味で言えば、わざわざ圧迫面接を行って自社のイメージを下げることは優秀な人材が入社してくれるにあたってハンディを自ら負っているようなものだと言えます。
だからこそ面接官としっかりとコミュニケーションを取って、圧迫面接をやめるように促していきましょう。
ただ、本人にやめるように促し、やめることになっても、圧迫面接を中々やめられないケースも少なくないです。
ここで2つ目の面接同席がポイントになります。
3−2:面接に同席し、実態を調査する
立ち場によっては立場の高い方の面接に同席するというのは嫌がられるケースもあるでしょう。
しかし、できる限り同席して実態を見ることがおすすめです。
もう習慣化してしまっている場合には、やめようとは思っていても中々やめられないのが圧迫面接です。
特に立ち場の上の人は人に命令をする機会も多く、自然と圧迫になってしまっているケースも少なくありません。
だからこそ、本当に圧迫面接をやめられているのかジャッジするためにも、面接の同席を行うといいでしょう。
個人情報の取扱いには気をつけないといけませんが、面接の録音・録画をしておくことで、どのあたりが圧迫になってたのか後で自身で確認することができます。
3−3:面接後のインタビューを行ってフォローをする
3-1、3-2の対策で圧迫面接がなくなればいいですが、過去の事例からすればこれだけで解決するのは稀だと言えます。
特に圧迫面接は、根本的に面接中のコミュニケーションの仕方が良くないという根深い問題に起因しているケースもあります。
コミュニケーションの仕方というのは本質的な部分ですので、簡単に改善が見られないような場合には、面接の前後にフォローを行っていくことで実害を限りなく少なくするのが得策です。
例えば、圧迫面接をする可能性がある面接官の面接の前に、「厳しくくるかもしれないけど、緊張しないでね」など伝えたり、「面接だからあえて厳しくしたけど、実際は優しい人だから安心してね」などと面接後に伝えるなどすることで、圧迫面接になったとしてもイメージの多少の改善が期待できます。
ここまで解説してきたが対策が中々難しいケースもあるかもしれません。経営者が絶対的なパワーを持っていたり、経営陣が力を持っており経営者の力が及ばないような場合です。
その場合、我々のような外部のコンサルタントから指摘を行っていくことで改善しやすくなるでしょう。是非積極的に活用していきましょう。
以上がわざと行っている場合の対処法になります。わざと行っているのかどうかは、正直我々にも判断しかねるところがあります。
圧迫面接についてはまだまだ良かれと思って行っている面接官も少くありません。
また、自分で変えられるのか、普段のコミュニケーションから圧迫っぽくなっているのかによっても対策が異なるでしょう。
4:圧迫面接のやめかた~知らず知らずのうちに圧迫面接になっている場合~
応募者の反応やネット上の情報からおそらく圧迫面接をしているとわかっても、面接官に聞けば圧迫面接をしていないと言われるケースもあります。
この場合面接官が知らず知らずのうちに圧迫面接を行ってしまっている可能性が高いでしょう。
このような場合にも基本的な対策はわざとやっている場合とそこまで変わりません。
知らないうちにやってしまっている分わざとやっている場合より配慮が必要な場面もありますので、ここではその点について解説していきましょう。
4−1:圧迫面接と判断しうる根拠と実害を伝え、面接官に打診する
まずは圧迫面接と判断する根拠と実害を伝えます。
当人とすれば、圧迫面接ではないと思っているため判断しうる根拠を論理的かつ重点的に伝えていきましょう。
圧迫面接をしているから悪いとあまりに直接的に言ってしまうとその面接官のやり方を否定することになってしまいます。
このように相手に認識させるのは非常に難しいことですし、面接官側としてはそのようなことを認めたくないことが多いでしょう。
そのため、伝え方が非常に重要になっています。場合によっては4-1の手法を行う前に4-2の手法を行うことを意識していくといいかもしれません。
4−2:特定の面接官を挙げずに全体として圧迫面接中止の旨を伝える
直接的に打診する手法と比べて効果が非常に限定的な手法になりますので、基本的には4-1を導入していただきたいですが、リスクのことも考えるとまずは事前にこのような伝え方をしていくといいでしょう。
自分が圧迫面接をしていると気づいていない面接官を含んだ全体に向けて、「ネットで圧迫面接と書かれていた」「応募者からそのようなフィードバックを受けた」と伝えていきましょう。
このような伝え方で気づいてくれることもあるでしょう。
また、当該の面接官が気づいてくれなかったとしても、このように全体に伝えてから個別に伝えることで比較的受け入れられやすいスムーズな伝え方ができるでしょう。
4−3:同席者&応募者へのフォロー
自分が圧迫面接を行っていると認識さえしてもらえれば、故意にやっていた場合と同様に同席やフォローを行っていくといいでしょう。
同席に関しても、故意にやっていたケースと同じく応募者の個人情報の取り扱いには注意が必要ですが、録画や録音をしておくことでスムーズな改善が見込めるでしょう。
また、応募者に対しても、知らず知らずのうちにやっている場合ベースとなるもともとのコミュニケーションがきついという場合がありますので、面接の前後におけるフォローが重要になるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事では圧迫面接のやめ方について解説してきました。
基本的には圧迫面接を進めていこうというケースはかなり少ないと思われます。
一方でこの記事をご覧の人事の方は、わかってはいるけれどあえて波風を立てて圧迫面接をやめさせていくのは憚られるといったケースが多いのではないでしょうか。
とは言え、採用においてはそのような面接の手法がボトルネックになってしまっている場合もありますので積極的に解決していくべきです。
圧迫面接をされた応募者側が根に持ってネガティブな口コミを書き続けることもあります。
一方で面接官には楽しんでやっているケースも一部あるなど圧迫面接をやめるインセンティブはほぼないのがこの問題の難しいところです。
人事もわざわざ波風立ててやっていくのは気が引けていたりするでしょう。
また、こちらの記事では、網羅的にかつ徹底的に面接官トレーニングについて解説しておりますのでぜひ合わせて御覧ください。
また、こちらの記事ではプロ人事の面接代行サービスについて解説した記事となっておりますので、あわせてご覧ください。