面接官トレーニングとは、面接官の面接力を高める事で人材の採用を成功させるだけでなく、早期離職の防止やミスマッチの防止を目指す、新しいトレーニング研修のことを指します。
そして、近年ではこの面接官トレーニング研修が非常に重要な取り組みと考えられ、注目を集めるようになってきています。
そもそも、採用活動において面接は重要な工程であることは周知の事実ですが、面接の質を上げることが採用の質を上げることに直結しているといっても過言ではありません。
というのも、多くの応募者が「面接官の人柄」や「面接での話」をもとに入社するかどうかを判断しているためです。
では、どのようにすれば面接官のスキルを向上させることが出来るのでしょう。
そこで重要になってくるのが、面接官トレーニングなのです。
現実問題としては、まだまだ面接官トレーニングを実施している企業は数が少ないというのが実情ですので、導入することに慎重な企業も多いでしょう。
そこで、この記事では面接官トレーニングについて、株式会社プロ人事で実際に行われているプログラムを紹介しながら、圧倒的なボリュームで徹底的に解説していきます。
この記事はボリュームが多くなっていますので、ピンポイントに面接官トレーニングの人気記事TOP3を先にご紹介します。
お忙しい方や、興味のある方は先にこちらから先に気になる記事に飛べますので御覧ください。
それでは、早速、以下から面接官トレーニングについてを解説していきます。
1:面接官トレーニングとは?基本を押さえる
面接官トレーニングは採用の強化施策として近年注目を浴びつつある取り組みの一つとなっています。
基本的に、面接官トレーニングについては「実践型の研修スタイル」で行うことが重要なポイントとなっています。
世の中には、面接官のノウハウやスキルの向上に関して様々な書籍が出版されていますが、情報として取得できたとしても、アウトプットすることができなければなりません。
特に面接は「応募者によっても異なるナマモノ」であるため、単に書籍などを読んだだけでは効果はかなり限定的となっています。
だからこそ、プロ人事の面接官トレーニング研修ではロールプレイング等を通した、実践的な面接官トレーニングとなっており、これを受けていただくことで面接力を向上させていきます。
また、当然ではありますが、【実践型の研修】であるため単に研修を受けられるだけでなく、採用のノウハウを有した講師に対して面接などの点で疑問に思ったことが聞けるという点は書籍等にはないポイントでもあります。
ただ、面接官トレーニング研修が比較的新しい概念になるため、どのようなものかある程度把握しておきたいという場合には、関連する書籍である程度イメージをつけるのも良いでしょう。
そこで、採用のプロがおすすめする面接官トレーニングに関する書籍を5冊選び紹介しておりますので、「気になる」という方は以下の記事を御覧ください。
注意していただきたいのが、本を読んだからといって満足して終わってはいけないという点です。
実際に、得た知識をどのように面接で発揮していくのか、読んだだけでは面接が変わるということはありませんので、具体的にどのように行動していくのか、どのように始めるべきなのかが重要な次のステップになります。
では、面接官トレーニングのメリットなどの効用や有効性について解説していく前に、面接に関する諸問題についてまずは確認していきましょう。
1-1面接に関する諸問題
まずは、面接において人事部を悩ます問題について確認していきましょう。
問題①:面接官がやってしまうNG質問
面接で「何を聞くのか?」こだわりを持っている面接官は多いでしょう。
自社にあった人材かどうかを判断するために、面接での質問は重要となっています。
しかし、だからといって面接官が応募者に対し何を聞いても良いということではありません。
応募者が質問内容に不快感を感じてしまうと、せっかく自社が欲しいと思う人材であったにもかかわらず内定を断られてしまう可能性もあります。
さらには、最悪の場合、違法なNG質問をしてしまうと、厚生労働省や労働局などに法令違反の質問をしてきた企業があった報告されてしまい、面接官だけでなく会社そのもののリスクになりかねないのです。
もちろん、面接官の中にはこのような事情を把握しており、質問に気を使っているという方もいます。
しかし、NG質問のなかには一見すると普通の質問に思えるものもあり、気づかぬうちに地雷を踏んでいたというケースもあるのです。
問題②:面接官におけるブレ・ばらつき
次に問題として挙げられるのは、面接官の間で生じてしまう評価や選考基準等のブレやばらつきです。
新卒・中途採用を問わず、面接は複数回行われるケースが多くなっており、一次面接と二次面接で面接官が変わるのでここでブレが生じることが多々あります。
さらには、一次面接であっても、複数の一次面接官がいて、応募者によって別の面接官となっているというケースもあり得ます。
一次面接では、人事だけでなく現場の社員等が行うというケースもありますので、このようなケースで面接で話す内容や合否の基準等にブレやばらつきが生じてしまいがちです。
このように、面接に携わる社員の数やポジションなどが多ければ多いほど、ブレやばらつきが生じる可能性が高くなっていきます。
それでは、ここでは具体的に「ブレやばらつき」の”内容”について、大きく2つに分類して解説します。
観点1:応募者へ伝える内容のブレ・ばらつき
観点2:合格基準、選考基準のブレ・ばらつき
- 観点1:応募者へ伝える内容のブレ・ばらつき
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応募者に対して仕事の内容や役割、会社の内容等をしっかり伝える。更に魅力的に感じてもらうことも面接官の役割の一つです。
また、ほかにも仕事の大変さや、厳しさ、注意点など、このようなネガティブ内容も面接官は応募者に伝えなければなりません。
- 観点2:合格基準、選考基準のブレ・ばらつき
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面接官が最終的に合否を判断するうえで基準にギャップがあります。
特に問題となるのは、面接によって【合格させなければいけない人材を落としてしまう】ことです。
もちろん、本来落とさなければならない人を合格させるということも避けなければならないのですが、間違えて合格させてしまうというケースがそこまで多くありません。
しかし、合格させるべき人材を誤って落としてしまっても、会社や人事ではその問題を発覚する事ができない為、対策をとる必要があります。
問題③:Z世代の対策
2020年に流行した新型コロナウイルスの影響により面接での常識が大きく変わり、オンライン面接が導入された企業も多くなっています。
このような外的環境の変化に限らず、新卒採用の面接の現場では新しい世代であるZ世代の採用に向けて、面接のスタイルも徐々に変わってきています。
このZ世代とは生まれた瞬間からインターネットに囲まれており「デジタル・ネイティブ」であるため、デジタルリテラシーの高さが特徴であると言われています。
そのため、Z世代はオンラインに慣れ親しんでいる世代でもあるため、スムーズにオンライン面接に対応しています。
とはいえ、Z世代は「面接」については慣れていないという点には注意が必要となってきます。
これに対して、人事ではオンライン面接ではなかなか本音が聞き出せない等、不人気企業の現場では、「応募者との距離を縮める」ことが難しくなってきており、採用に困ってしまうというケースが出てきます。
また、Z世代の応募者は企業の口コミ等をネットで見ているということも当たり前に行っているので、とくにネガティブな口コミを見てきているような場合には面接官としてはカウンタートークといった対策をとる必要あります。
このように、外的環境や、世代が変わったことで新たな対策を強いられているのですが、Z世代は1990年代の半ばから2010年頃に生まれた世代ということもあって、なかなか対策が追いついていない企業もあるのが現状となっています。
面接に関する諸問題について見ていきましたが、これらの問題を解決するうえで有効な方法となるのが、【面接官トレーニング】ということになります。
この点について、次に面接官トレーニングの効果とともに解説していきます。
1-2:面接官トレーニングの効果
上述したような面接に関する問題について、面接官トレーニングが非常に有効な対策となっています。
この点について、面接官トレーニングを実施することで得られる効果について見ていきましょう。
効果①:面接のクオリティーの向上
冒頭にも記述したように、面接官のノウハウやスキルを向上させることで採用の質を上げることが可能となります。
問題②において面接官の間でブレやばらつきが生じてしまうということについてご紹介させていただきました。
このような問題が生じてしまう理由としては
①面接前の事前の情報共有の欠如
②面接官向けのトレーニングの欠如
③評価基準や優先度の認識の欠如という3つが挙げられます。
特に②については、新卒採用や中途採用を問わずトレーニングが行われているケースが少ないといえます。
他の企業も面接官トレーニングを行っていないので、自社もやらなくて良いのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実施している企業が少ないからこそ他社と差別化できるともいえますし、面接を徹底的に分析し改善に取り組むことは他の採用競合と比べても非常に有利に働きます。
ちなみにプロ人事の実施している面接官トレーニングでは、大きく2つの観点からトレーニングを実施しております。
1つ目は、応募者に対して自社に魅力を感じてもらえるような説明やレクチャーを行っています。
前述したように応募者に対して、自社の魅力等のポジティブな面ばかり注力しがちですが、ここでポイントとなるのは、先に応募者の本音を引き出すという点です。
この本音を引き出すには、応募者が話しやすいように工夫をしていかなければなりません。
どのように工夫していくべきかについて、質問やコミュニケーション方法を学んていただくのです。
2つ目の観点は、応募者の能力や考え方をしっかりと引き出すことで採用基準に応じて客観的にジャッジする方法を学べるようにします。
採用基準に合っているかをジャッジするということについて、言葉では簡単ですが、実際にやるとなるとかなり難しい作業となります。
というのも、面接の時間も限られており、短時間で必要な情報を引き出すだけでなく、自社にマッチしている人物かを判断しなければならないのです。
そのうえで、応募者に魅力的に感じてもらえるようにアピールもしなければならないとなると、短時間で膨大な作業をしなければなりません。
このような膨大な作業を行うことを前提とすると、トレーニングなしで実施されてきた面接ということを踏まえると、かなりの毀損が発生していると考えることができます。
言い換えれば、面接官トレーニングを実施することで、毀損の発生を防止することにもつながるうえに、面接のクオリティーの向上が採用のクオリティーの向上にもつながるのです。
効果②:ミスマッチの防止
面接官トレーニングの効果はなにも採用段階だけに限らず、採用後にもその効果を発揮します。
たとえば、せっかく採用したにも関わらず早期に離職してしまったというケースなども減少させる効果があります。
というのも、このような早期離職が生じてしまう理由の一つに会社とのミスマッチが挙げらています。
このミスマッチに関して採用前に聞いていた情報と入社後実際に働き出してからの実情と食い違っていたという点でギャップに耐えられないということが多いです。
この採用前の情報収集提供の場において最も重要なポイントが【面接】となっています。
面接に際しては応募者に自社を選んでもらうという側面も有していることもあ応募者に対するアピールしていくうちに、ポジティブなことばかりを伝えてしまい、実際に入社してから直面するネガティブ面への耐性がついていないためミスマッチが生じてしまうというケースが多いのです。
そのため、面接官はネガティブなことも応募者に伝える必要がありますし、どのように伝えれば良いのか、そもそも伝えるべき情報とはなにかという点で悩む方も多いかと思います。
そこで、面接官トレーニングを実施することで、伝えるべき情報やネガティブな面の伝えkた等を学んでいただくということになるのです。
応募者に対して適切に情報を提供することで、入社後のミスマッチを防止に繋がっていきます。
効果③:企業の評価アップ
面接官は、企業の顔として面接に望むことになります。
会社の代表として、応募者と面接をすることになるので、面接官が応募者に与える印象は重要なものになってきます。
また、面接は、自社に適した人材か否かをジャッジするという場だけでなく、応募者が会社を選ぶための場としていう側面も持ち合わせるようになってきました。
問題①で、面接官がNG質問を気づかぬうちにやってしまっている可能性があるという点にふれましたが、仮に、面接官が応募者にNGな質問をしてしまったり威圧感を与えるような行為をしてしまうと応募者からすれば、その企業全体にそのような風潮ある、ないしは許容されているのではないか、このような会社に入社するのはやめようと考えるかもしれません。
つまり、面接官の印象のせいで、欲しいと考えていた人材を逃してしまっているという可能性が生じます。
ここで注意しておかなければなえらないのが、企業としてこのような事態が発生しているということが把握できれば良いのでしょうが、実際は辞退者からこのような本音を聞くことはほとんどないので、表面化しにくい問題になっています。
また、前述したようにNG質問の中には法的に問題が生じてしまうというケースもあります。
最近はコンプライアンスに厳しい世の中になっていますので、NG質問を受けた応募者が厚生労働省や労働局に報告するようなことがあれば、企業としての評価が下がることになります。
さらに、最近ではネットで企業の口コミが掲載されているサイトを応募者がチェックしていることが前提となっており、面接を受けた際の面接官の印象等が掲載されていることもあります。
このように、面接官は企業の印象に大きな影響を与えることになるのです。
言い換えれば、面接官の印象を上げることができれば、企業の評価が上がるということがいえます。
面接を受けた応募者としては、結果がどうであれ面接官の印象が良いと思えば口コミサイト等で「この会社の面接官は良かった」等、プラスの口コミをしてくれる可能性がでてきます。
効果④:変化に対応することができるようになる。
問題③でも解説したように、採用活動に関して2020年の新型コロナウイルスの流行によりオンライン面接の導入がなされたように外的環境の変化が影響を与えました。
また、Z世代などネットに親しみがある世代に対する採用活動対策を行っていくにはどうするべきかという問題も出てきました。
採用活動においては、ここまで大きな変化が沢山発生するとまではいえませんが、実際には各年度ごとで細かな変化が生じています。
特に新卒採用に関しては、1年ごとで学生達は変わるので全く同じ状況、特徴があるとはいえません。
そうだとすれば、可能な限りそれぞれの各年度ごとに対処していく必要があります。
変化に対応するということは、それなりに採用活動に関する負担が増加することになりますので、そこまでしなくても良いのではないかと思われるかもしれません。
しかし、少子高齢化ということもあって、徐々に人材の数は減少していく傾向にあります。
今のうちから、細かな変化に対処ができるようにすることで採用競合している他社との差別化にもつながっていきます。
そして、この変化に対応する手段の一つとして面接官トレーニングが挙げられるのです。
たとえば、問題3で提起したZ世代の対策については、オンライン面接に慣れず、応募者との距離に詰め方がわからないという面接官に不安を挙げました。
この不安に関して、株式会社プロ人事が実施しているプログラムでは応募者と関係性をしっかりと構築していくためのトレーニングをご用意しています。
具体的には応募者のタイプに応じた分類とコミュニケーション方法について解説しながらワークに沿ってオンライン面接の内容を改善していきます。
このように、応募者の変化によって生じた課題に向き合い、解決をしていくことが可能となるのです。
以上で見てきたように、面接官トレーニングを実施することで、採用活動に関して発生する問題の解決をすることが可能となるのが、効果やそのメリットとなります。
- 問題まとめ
-
- 面接官がやってしまうNG質問
- 面接官におけるブレ・ばらつき
- Z世代の対策
- 効果まとめ
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- 面接のクオリティーの向上
- ミスマッチの防止
- 企業の評価アップ
- 変化に対応が可能
以下の記事で、それぞれの問題に関してさらに詳しく解説しておりますので、ぜひ合わせて御覧ください。
ここまでは、面接官トレーニングの効果について解説してきました。
次に、プロ人事が実施している面接官トレーニングについて、どのようなフローで行われているのかについてみていきましょう。
2:面接官トレーニングの実施内容
では、実際に面接官トレーニングについてどのような流れや内容で実施されているのか、イメージしづらいという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、この章で株式会社プロ人事が実施しているプログラムの一部を公開します。
2-1面接官トレーニングの目的
まず、面接官トレーニングの内容等に入る前に、先にプロ人事の面接官トレーニングを実施する目的について確認していきます。
面接官トレーニングを実施する目的としては以下の3つになります。
- 応募者を見抜く
- 応募者に魅力を感じてもらう
- コンプライアンス観点からのリスクヘッジ
①:応募者を見抜く
面接では、応募者の志向性とスキルを見抜くことが重要です。
合わせてストレス耐性や入社意欲、コミュニケーション、強調性なども審査していくことになります。
この志向性の判断について、様々な手法が存在していますが、最も扱いやすい手法としては「ソーシャルタイプから判断する手法」をオススメしています。
一回の研修だけで、相手を完璧に分類するうのは簡単なソーシャルタイプの分類でも高を掴むの時間がかかるため、当社の研修では、相手を分類する癖付けを体感することをゴールにおいています。
一度、その感覚を理解すればそれを応用することで様々にカテゴライズできるようになるためです。
面接官が陥りがちなこととしては、応募者を見抜くことはやるものの、その基準が各面接官によって独自になっており社内で共有されていない点が挙げられます。
それを防ぐため、各自の基準で見抜くのではなく、第三者の客観的な基準で見抜くことを体感することがこの研修のメインです。
②応募者に魅力を感じてもらう
「面接は会社が応募者が一方的に選ぶ場だ」という考え方から、面接を応募者を見抜くだけの場と考える面接官もいます。
もちろん、採用が比較的簡単な領域等であれば、当然その手法も問題がありません。
しかし、優秀な人材を採用したい場合やエンジニア採用などの難易度の高い職種を採用する場合にはその手法では問題があります。
というのも、採用が難しい状況であれば当然、応募者に選んで貰わないといけない観点を忘れてはいけません。
ゆえに、応募者へのアピールは選んでもらうためには必要不可欠なのです。
ここまでの点について理解することができたけれども実際にどうやってアピールをしていくいべきなのかイメージができないという方も多いのではないでしょうか。
実際問題、多くの面接官が単に自分が思いつく自社の良いところをあげていくケースが非常に多く目に付きます。
しかし、これだけでは応募者の心に響きません。
我々の面接官研修では、単に自社の面接官トレーニングでは、単に自社の良いところを伝えるのではなく、応募者ぼ志向性や価値観等相手に応じた伝え方で魅力を伝えるのを目的としています。
つまり、相手の本心をきちんと汲み取って自社の魅力を伝えるのです。
文字にしてみると簡単なように思われるかもしれませんが、面接という場では相手の本心を汲み取って自社の魅力を伝えるというのは、とても難しいのです。
これを実践できている面接官は多くはないのですが、だからこそ、それが自社の面接官が出来るようになれば採用競合している他社との差別化に繋がっていきます。
③:コンプライアンス観点からのリスクヘッジ
これまでも散々触れてきているのですが、法律で禁止されている面接のNG質問をしている面接官は非常に多いのです。
ここで簡単にですが、NG質問についてどのようなものがあるのかについて問題を出させていただきます。
- 以下のような質問のうち、NGにあたる質問はどれでしょうか?
①あなたは、自分の生き方についてどう考えていますか。
②あなたは、今の社会をどう思いますか。将来、どんな人になりたいと思いますか。
③あなたは、どんな本を愛読していますか。
④学校外での加入団体を言ってください。
⑤あなたの家では、何新聞を読んでいますか -
すべてNG質問にあたる
いかがだったでしょうか?
一見するとNG質問に見えないものも実はNG質問になっているということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
上記の質問以外にも、例えば通勤経路や住所を確認すること自体は問題ないですが、質問の仕方や意図により多少のリスクはあります。
学費は誰が出しましたか、など家庭の雰囲気に関わる質問を意図せず聞いてしまいがちですが、誰が支払ったかで評価が下がることは良くありませんので、注意が必要です。
男女問題に関しては特に注意しましょう。
結婚しても働き続けるか、何歳くらいに子供産みますか、今付き合っている人いますか、などの質問は全てNGです。
福利厚生の話などで、応募者からの質問に対応する形でカバーする、あるいは制度として解説する分には問題はありません。
もしリスクのある分野で聞きたいことがあっても、相手が自分から言い出さない限りこちらから聞いてはいけません。
ちなみに、良くありがちなのは異性間の質問はNGだと理解していもて同性への質問は問題ないだろうと考えて、質問してしまう方が多くいます。
相手が同性でも異性であっても、NGな事には変わりありませんので、注意しましょう。
ここで説明したように、気が付かぬうちにNG質問をしてしまいコンプライアンス的にリスクが生じてしまうということが多々あります。
そのため、プロ人事の面接官トレーニングではコンプライアンスの観点からのリスクヘッジについても目的の一つに掲げております。
2-2 面接官研修の種類
面接官研修の実施形態については、大きく2つの形式に分かれています。
- ①:集合研修(対面ORオンライン研修)
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採用コンサルタントや人事のスペシャリストが講師として登壇します。
講義形式で面接官に大切なことや応募者から魅力に感じてもらうための工夫や履歴書から何を読み取るのかなど、面接官にとって知っておくべき知識やノウハウ等を学んでもらいます。
また、講義形式だけでなくワーク(実践)も取り入れており、例えばアイスブレイク法や質問の仕方・掘り下げ方などそれぞれのテーマに沿って勧めていきます。
これらが、もっともオーソドックスな集合型の研修になっています。
基本的にプロ人事の面接官トレーニング研修では「1社毎のカスタマイズ研修」となっていますので、対面やオンライン研修でも、依頼していただいた会社毎にマッチした研修内容になっています。
ですので、上記で紹介したオーソドックスな集合型以外にも、同席の研修というものがあります。
- ②:同席研修(対面ORオンライン研修での面接にプロ人事が同席)
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2つ目の実施形態は、同席研修というものです。
同席研修では、通常の自社が行っている面接にプロ人事の採用コンサルタントや人事のスペシャリストが面接官として同席したり、オンラインの場合には録画したものを確認して、フィードバックをしていきます。
実際の面接の中で、どうすれば良いのかをフィードバックしたりアドバイスをしていく、まさに実践型の研修となっています。
2-3:研修実施のフロー
では、研修実施までの準備から研修の終了後までの大まかなフローを確認していきましょう。
ここでは、オーソドックスば集合研修形態を実施する場合を前提に紹介をしております。
また、プロ人事では、会社毎にカスタマイズした研修を実施しているため、すべてがこの流れの通りに実施するというものでもないので、研修の実施を検討する際の参考例として解説しております。
大まかに以下のような5stepで研修が実施されていくことになります。
では、それぞれの工程でどのようなことをやっていくのか、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
株式会社プロ人事は幅広い分野で採用代行 (RPO) ・採用コンサルティングを実施している企業となっているということもあって、「決まりきった所定の面接トレーニング研修の雛形」はございません。
というのも、面接トレーニング研修で最高の結果を得るためには、それぞれ会社が抱えている【面接での課題】や【最近の採用状況】などを踏まえた面接トレーニング研修を行う必要があるからです。
そこで、どういった支援が必要でどのような部分を改善していくのかを【事前の打ち合わせ】で決めていき面接トレーニング研修全体像を決定していきます。
この面接官アンケートでは、面接官側からのヒアリングの際に行うもので、その目的は課題の対策ではないので、面接トレーニング研修で行っていきたい方向性などがあらかじめ決まっているという場合には割愛するケースもあります。
この事前アンケートでは、以下のような質問をしております。
- 面接で必ず聞く質問はありますか?
- なぜ、それを聞きますか?
- 合格・不合格の基準はなんですか?
- 今までに面接と入社後にミスマッチを感じたことはありますか?
- そのミスマッチが発生した理由はなんですか?
- 面接で困っている点はありますか?
- 自分は応募者からどのように見られていると感じますか?
- 応募者から「良い面接官」と思われるために行っていることはありますか?
このようなアンケートを実施することで、今の面接官の状態や課題点を浮き彫りにしていきます。
このアンケートを実施するだけでも、想定していないような面接官の本音や実情が把握できるということもあって、非常にご好評を頂いています。
また、面接官にとってもこのアンケートが気づきのきっかけになるというケースが多いようです。
具体的にいえば、「応募者から【良い面接官】と思われるために行っていることはありますか」と聞かれることは一切、そういった事を考慮していなかった面接官からみれば青天の霹靂ですし、それを意識するのが当たり前であるということを意識させることにもつながります。
いい人材は奪い合いであるということや、面接での面接官の印象から入社するかどうかの判断材料にしている応募者が多いと言うデータから、面接官の所作が非常に重要ということを理解・把握していただくためにも、この面接官向けのアンケートは重要な要素の一つと言えます。
会社の課題を把握し、どのように改善していくのかを決めていくのが、プロ人事の面接官トレーニング研修の最大の特徴です。
この点については、自社だけではわからないということもあると思いますので、人材採用のプロである、プロ人事が分析いたします。
より良い人材を見つけるためにも現時点の確認が大切になります。
これは、どのよううな課題にも共通して言えることですが、各課題に対してしっかりと分析ができていれば、早期改善が期待できるのです。
そのためにも、会社の課題を把握をしっかりと行うことが重要と言えます。
また、問題3でも触れましたが、新卒採用に関して、これから採用をしていく学生たちは「Z世代」と言われる学生たちとなっています。
このZ世代の特徴の一つとして、自分らしさや他人とは違うことを望む世代となっています。
「個性の尊重」を強く主張する彼らだからこそ入社希望理由も多様化しておりさらに面接官も技量が問われています。
このような新しい世代に合わせた面接を取り入れるためにも、新卒採用を強化していくのであれば、面接官トレーニングが必須条件といえるでしょう。
また、問題②において、「面接官毎の評価基準の統一」についての解説いたしましたが、面接官が様々な考えをもっていると、判断基準にばらつきがでたり、求める人材像に差がでる要因になってしまう可能性があります。
そのようなことを防ぐためにも、会社毎にしっかりと面接官の目的を明確化させることが重要になります。
選考が進む中で、面接官が変わった際に、それぞれの面接官によって応募者に伝えている内容が異なってしまうと、会社の良さが伝わらないばかりか、逆に会社全体として統制がとれていない会社に見えてしまうかもしれません。
また、面接官と応募者がただ質疑応答をするような面接では応募者の入社志望の動機付け・意向醸成にはなりません。
なぜなら、それでは相手の良さを引き出すことができないからです。
入社志望を決定つける瞬間は面接のときです。
入社の希望を決定付けるという意味で、インタビュアーとしての役割も同時に行うことが求められるのです。
この相手の良さを引き出すコミュニケーションといって点でも面接トレーニング研修は重要なポイントとなります。
1~3までが研修までの準備段階であり、ここで、面接官トレーニングの本題である研修実施になります。
ここまで、しっかり事前準備をしているので、自社にマッチした面接官トレーニングが実現することになります。
研修では、まずは基本となる面接官の心得を再確認をしていきます。
この内容について、プロ人事が保有している様々なノウハウを交えながらも、自社の課題や進んでいきたい方向性等に応じて、カスタマイズしたものになっています。
以下で、オーソドックスに面接官の基本的な心得や考え方を記載しておきます。
- マインド・・・採用官としての心構え
- 知識・・・面接の進め方、面接官としてのNG質問
- スキル・・・応募者の良さを引き出すトーク力と洞察力
- マナー・・・みだしみ、姿勢
心得を確認した後は、実際に面接のやり取りなどにそって研修を実施していきます。
この研修の説明に際して、【応募者の良さを引き出すトーク力と洞察力】を具体例に挙げて解説していきます。
「応募者から魅力を感じてもらうためにはどうすれば良いのか?」という問題に対して、多くの方が勘違いをしているのですが、単に応募者を褒めたり、讃えたりしても応募者が自社に魅力を感じてもらえません。
ではどうすれば良いのでしょうか?
それの答えは【応募者が話したいことを話させたうえで、面接官が納得して、自社に合っていると感情を込めて伝える】が最も効果的ということです。
これを実践においては以下の3ステップになります。
画像つくる
①応募者に話したいことを話させる
②面接官として納得していることを相手に伝える
③感情を込めて自社に合っていると伝える
特に、①応募者に話したいとを話させるということが最も重要であり、かつ非常に難しいです。
大抵の応募者が事前にどのようなことが聞かれるかをある程度想定して、面接に来ており、事前に想定している答弁では、「話したい」をある程度伏せているケースが多いです。
そのため、本当に応募者が話したいことをうまく聞き出すという事が重要になるのです。
ここのポイントは、実際に面接官トレーニングでたっぷり伝授しますので、ご安心ください。
実際に面接官トレーニングを終えた後に参加していただいた面接官アンケートを送り質疑応答等ぼアフターフォローを行っています。
また必要に応じて、1枚もののレジュメを用意したり、研修後荷定着しているかの後追い調査もプロ人事では行っていますので、ご安心ください。
単なる研修会社のような「研修をやることが目的」の会社ではなく「採用を成功させるためにコミット」するのがプロ人事となっています。
大体、このような流れでプロ人事では面接官トレーニングを実施しております。
以下の記事で面接官トレーニングの流れやそのほかにも、研修プログラムの実例等についても紹介しておりますので、ぜひ合わせて御覧ください。
3:プロ人事が実施している面接官トレーニング【応募者に魅力を感じてもらえる面接官になろう】
プロ人事では、基本的に会社毎に面接官トレーニングの研修内容を決定していくのですが、実施する内容についてイメージがしにくいと面接官トレーニングの導入を検討がしにくいかと思います。
そこで、この章では、プロ人事が実施している研修のなかの一つである【応募者から魅力を感じてもらう面接官】になるための研修をご紹介いたします。
3-1魅力的な面接官とは
そもそも、魅力的な面接官にとはどのような面接官なのでしょうか。
プロ人事では魅力的な面接官といえるための5つのポイントがあると考えております。
この5つのポイントについて以下で詳しく見ていきましょう。
①:コミュニケーションスキル
面接では、短時間でジャッジをするうえで必要となる情報を応募者から引き出したり、様々な交渉や、自社の魅力を伝えたりとコミュニケーションが重要になってきます。
具体的に面接で活かせるコミュニケーションとは「応募者から本音を話して貰えるようなコミュニケーション」と「応募者が自社・面接官に魅力を感じて貰えるようなコミュニケーション」の2つが重要になります。
- ✓応募者から本音を話して貰えるようなコミュニケーション
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自身の人生がかかっていますので、応募者はどうしても緊張してしまいますし、何よりも「受かりたい」「落ちたくない」という気持ちが強く現れてしまいますので簡単に本音を話してくれません。
しかし、本音を引き出せないと、入社後にミスマッチが発生してしまったり、入社後に「こんなはずではなかった」という状態になってしまいかねません。
また、本音を引き出すということに執心し、ストレートに聞いてしまうと応募者としては逆に警戒心を抱いてしまいますし、場合によっては不快に感じて内定を断る要因になりかねません。
そのため、応募者に警戒心を抱かせずに、自然と本音を引き出すコミュニケーションが重要になるのです。
それを面接官トレーニングで実現していくことになります。
- ✓応募者から自社・面接官に魅力を感じて貰えるコミュニケーション
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本音を引き出すというのは、自社にマッチしている人材か否かをジャッジするという点で重要ですが、面接は、ジャッジの場というだけでなく、応募者に自社をアピールするという場でもあります。
ですので、本音を引き出すだけでなく、応募者から自社に魅力を感じてもらう必要があります。
応募者は、「面接官の雰囲気」で良い会社か悪い会社かを判断している傾向がありますし、面接官の対応が悪いという理由だけで辞退するケースもあります。
この問題に関して会社側では、「面接官が複数いれば相性が悪い人にあたってしまうの当然」「人によって合う合わないがあるのは当たり前」とと考えてしまいがちなのですが、優秀な人材を採用したいと本気で考えている会社の場合には、面接官トレーニング研修を実施して、そのような態度を面接官がとらないようにしていい人材を採用できるようにしています。
また、面接官トレーニング研修を行う事で、面接官の意識付けを期待を出来るために徐々に会社の面接力をアップしていくために、プロ人事の面接官トレーニング研修をぜひご活用ください。
②質問力
面接官の多くは、応募者に対する質問はあくまで「ジャッジをするための質問」と考えていますが、質問の役割はそれだけにとどまりません。
実は、質問の仕方で【応募者が魅力を感じてもらえる】ような、いわばアピールにもなるのです。
では、どのような質問をすれば、応募者に魅力を感じてもらうことができるのでしょうか。
その答えは応募者自身に「興味を持つ」ような質問です。
「何をしたいのか?」「何が出来るのか」という上辺にとどまるような質問ではなく、「貴方はどういう人なのか?」「どういう風に考えたのか?」「なぜそのように考えたのか?」といったその人の内面に触れた質問をしていきます。
そのうえで、「なるほど!貴方のような考えの人は素晴らしいor自社に合っている」というようなフィードバックをすることで、応募者は「自身に興味をもって貰えて嬉しい」「自分に合っていると言われて安心した」というようなプラスの感情を抱きます。
③共感力
人とのコミュニケーションにおいて「共感」は基本的なものですが、面接においてはとても重要な力となっています。
この「共感」について注意しなければならないのが、普段のコミュニケーションで出来ている人でも、面接では共感出来ていない人が数多くいるという点です。
このような事態が生じてしまう原因として、面接で共感してしまうと「応募者に合格と悟られてしまうのではないか?」「応募者を認めている事になるのではないか?」といった気持ちが働いてしまって、つい共感を隠そうとする人がいます。
しかし、実際に面接で落とすとなっても、その場で「共感」することが何も悪いことではありませんし、共感を隠す必要はありません。
とはいえ、今までの染み付いた癖などわかっていても治らないとうこともありますので、面接官トレーニングをおこなうことでその癖の解消の手助けをしていきます。
④表現力
共感力に近いのですが、表現力も重要なコミュニケーション力です。
ここでいう表現力とは、応募者に対して自社の仕事や考え方、社内の雰囲気を魅力的に表現する力になります。
事前に話す内容が決まっていたとしても伝え方や表現の仕方で大きく印象が変化します。
⑤ビジネスマナー
会社の顔として面接に望むことになりますので、ビジネスマナーをしっかりとしていく必要があります。
面接官という立場や自分が慣れている自社の環境だとビジネルマナーがおろそかになってしまいがちです。
しかし、応募者側が面接という機会でビジネスマナーに気を遣っているからこそ、面接側もしっかりとビジネスマナーを行っていくべきなのです。
このように、魅力的な面接官になるための5つのポイントについてみていきました。
これらのポイントに関しては目からウロコというよりは「言われてみれば、そうだよな」というようなものが多いかもしれません。
しかし、「面接官」という立場で「慣れ親しんだ面接場所」だと気がゆるんでしまって5つのポイントが出来ないというケースもあります。
だからこそ、面接官トレーニング研修を行ってこれらの点を改善していきます。
3-2:研修の実施について
魅力的な面接官になるための5つのポイントについて見ていきましたが、これらのポイントを身に着けてもらうためにどのような研修を実施していくのかについて解説いたします。
もちろん、解決すべき課題というのは会社毎にかわりますので、まったく同じものになるとは言えないのですが、オーソドックスな流れを一例として挙げています。
面接における課題をプロ人事が調査・分析していきます。そのうえで面接官が自身の企業の課題をしっかりと把握出来ているかを確認する研修も実施していきます。
悪い面接はどこの企業も同じような面接を行っています。
そこで、他社とどのように差別化をしていくのか。応募者の好印象を与えることができるのかということが重要になります。
面接官の与える印によって志望度も変化するといっても過言ではありません。
だからこそ、いまの状態をしっかりと確認してくことから始まります。
面接官は応募者の悩みや最重要視しているポイントを短時間で見抜く必要があります。
ありがちなのが、短時間であるがゆえに、毎回同じことを答えてしまい自分主導の面接になってしまうと応募者の求める答えになっていないというケースです。
このような事態にならないために、面接官のヒアリング力が重要視されます。
このようなテクニック等を中心に解説をしていきます。
例えば、メラビアンの法則は第一印象で何が左右されるのかを示す人間の基本的な心理面を表した法則になります。
このメラビアンの法則では「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の中で第一印象では視覚情報が最も大切になると言われています。
このメラビアンの法則から、導き出される面接テクニックが
- 清潔感のある見た目
- 手振りを交えて会話する
- 自信のある表情
- 相手の目を見て話すことができる
ということになります。
このように、人間心理を理解し、面接の場でどのように実行するのかということを研修でお伝えします。
最後に、面接官トレーニングでは実際の面接のフィードバックを行うことも可能です。
プロ人事の面接官トレーニング研修は単なる研修でありません。
実践的で本当に役立つものであると考えているからこそ、実際の面接に同席し、そこで、フィードバックを行うということもやっています。
今回は、プロ人事が実施している研修のなかでも魅力的な面接官になるポイントについて紹介しました。
こちらの記事で、更に詳しく解説しておりますので、合わせて御覧ください。
また、プロ人事が実施している研修ではZ世代対策の特化した面接官トレーニングも実施しております。こちらの記事で詳しく解説しておりますで、こちらも合わせてご覧ください。
4:まとめ
今回は、プロ人事が実施している面接官トレーニングについて解説していきました。
良い人材を本気で採用したいと考えている企業ほど面接官トレーニングを実施しておりますし、実施することで他社との差別化をはかることが可能となります。
株式会社プロ人事では、依頼していただいたき企業様の抱える課題に合わせて研修内容を提供することができます。
面接官トレーニングの実施を検討している方や、利用したいと考えている方はお気軽にお問い合わせください。