面接官トレーニングを実施することで合格基準を統一して採用戦略の質をあげよう!
このコンテンツでは面接において面接官ごとに評価のばらつきや選考基準のブレなどを無くすための対策や方法についてを解説していきます。
面接は応募者にとって自身の人生を左右する非常に大きな出来事でありますが、会社にとっても共に働く社員を採用するかを判断する非常に大きな業務になります。
しかし、人事以外の面接官にとっては本業ではありませんので、どうしても面接の優先度が下がってしまいがちになります。
また面接官の業務は、非常に重要ではあるはずですが、一方でトレーニングしたり研修を行ったりするケースも少なく、さらには個室で行われることが多いため面接官にとって自分の面接が良いのかどのかが分かりづらくブラックボックス化してしまいがちな業務といえます。
そこでこのコンテンツではブラックボックス化してしまいがちな面接の業務に関して選考基準を統一する方法、応募者に対して仕事や会社の内容の伝え方を魅力的にさせミスマッチの防止等に繋がる方法を解説していきます。
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1、面接官におけるブレ、ばらつきの正体
面接官においてブレやばらつきが実際どのように生じているのか、またその生じている要因等について解説していきます。
そもそも面接は会社によって面接官の人数や役割など様々なものがあります。
新卒・中途採用問わず、面接は複数回行われるケースが多くなっています。
そしてここでポイントになってくるのが一次面接官であったとしても、複数の一次面接官がおり応募者によって別人が出てくるケースがあり得ます。
特に大量に採用するような大手の企業であったりすると、一次面接官が複数名いたりします。
またその一次面接官は人事とは違い現場の社員等が行ったりするケースもありますので、そのような場合には面接で話す内容や合否の基準等にブレやばらつきが生じてしまいがちです。
またこのコンテンツでは、具体的にブレやばらつきに関して、2つの観点がありますのでそれを分けて解説していきます。
観点1:応募者へ伝える内容のブレ・ばらつき
観点2:合否基準、選考基準のブレ・ばらつき
これら2つの観点に関しては近いようではありますが、それぞれに与える影響や対策が若干異なりますのでこのコンテンツでは別々に解説していきます。
まず観点1の応募者に伝える内容のブレやばらつきについてです。
面接官はあくまで応募者の合否を判断するだけが仕事内容ではありません。
応募者に対して仕事の内容や役割、会社の内容などをしっかりと伝えて、さらには魅力に感じてもらうことが面接官の役割の目的でもあります。
また応募者に伝える内容はそれだけではありません。
例えば仕事の大変さ、厳しさ、最初に向き合う注意点などについても、こういった場で面接官が伝えていくことが重要になります。
このようなネガティブなポイントこそ応募者が知りたがっているポイントでもありますし、逆にネガティブなポイントをあらかじめ確保しておくことができればそれによってミスマッチを防ぐことができるのです。
観点2の合格基準、選考基準については、面接官が最終的に合否を判断する上での基準にギャップがあります。
最も良くないのは、面接官によって本来であれば【合格させなければいけない人材を落としてしまう】ことです。
もちろん、逆の本来落とさなければいけない人を合格させることも当然避けなければいけません。
ただし、本当に落とさなければいけない人は分かりやすいので、間違えて合格させてしまうケースはそこまで多くはありません。
さらには、観点1でお伝えした仕事の内容などをしっかりと伝えることができていればたとえ会社側が合格と出しても応募者がミスマッチではないかと感じて辞退する可能性もあります。
そういった観点を踏まえていくとやはり会社側の面接官の立場でどうしても防いでいただきたいのは【本来合格させなければいけない人を落としてしまうこと】と言えるでしょう。
合格させなければいけない人を落としてしまった場合では、応募者側にはどうしようもないだけでなく面接官以外の他の書類選考者やその次の面接官なども対応ができないためクリティカルな問題であるといえます。
2、ブレやばらつきが生じる理由
次に面接官ごとにブレやばらつきが生じる理由について解説していきます。
大きく分けると以下の3点に分類されます。
理由1:面接前の事前の情報共有の欠如
まず基本的でありますが面接前の事前の共有の欠如が1つの大きな理由として挙げられます。
例えば応募者がどんな属性なのか、他にどういった選考が進んでいるのかや、選考基準について非常に細かく情報共有されているケースが少なくなっています。
中途採用の場合一次面接官が、現場の責任者だったりしますので、他の選考状況や自分が育てられるかどうかなどの基準で考るためこれらの欠如はあまり見受けられません。
しかし新卒採用の場合であればどうしても応募者が多くなってしまう傾向から事前の情報共有の欠如が多くなっています。
さらには、中途採用のように実際に採用したい人物像が非常に細かく定まっているケースが少ないことから、その面接官と目的に合う合わないかだけで判断してしまうケースも多くなっています。
理由2:面接官向けのトレーニングの欠如
面接官向けのトレーニングを行っていない企業は非常に多くなっています。
中途採用や新卒採用を問わずトレーニングが行われているケースが少ないといえます。
実際に面接は非常に重要な場面でかつ応募者と直接話せる機会ですので、面接を徹底的に分析し、改善に取り組む事は他の採用競合の企業と比べても非常に有利になるといえます。
他社でも、面接官向けのトレーニングを行っているケースが少ないことから、それを行っていくことで他の採用競合の企業等の差別化にも繋げていくことができるはずです。
プロ人事では、面接官向けのトレーニングなども研修商材やコンサルティングサービスを行っているのでぜひご興味があればお問い合わせください。
また面接官のトレーニングでは、大きく分けて2つの観点からトレーニングを行っています。
1つ目は、応募者に対して自社に魅力を感じてもらえるような説明やレクチャーを行っていきます。
この観点はどうしても多くの人が自社の良いことだけを伝えようとしてしまいがちですが、実際に自社の良いことだけを伝えようとしても伝わるものではありません。
本当に応募者に対して自社に魅力を伝えたいのであれば、むしろ先に応募者の本音を引き出すことから始めていきます。
とは言え簡単に本音を言ってくれる応募者はいません。
だからこそ本音を話してもらいやすい質問やコミュニケーション方法をトレーニングで学んで頂くのです。
本音で話をしてもらった上で、その応募者の本音とうまく噛み合うように自社のメリットや魅力を伝えていくことではじめて応募者に響いていきます。
このように伝えていく方法をトレーニングでは何度も練習したり、研修役のコンサルタントが面接でレクチャーやフィードバックを行ったりします。
そして2点目が、応募者の能力や考え方価値観をしっかりと引き出すことそして採用基準に応じて客観的にジャッジする方法を学べるようになります。
この採用基準に合っているかをジャッジする事は、言葉で言えばとても簡単ではありますが、実はかなり難しい作業です。
面接と言う限られた時間の中で、応募者の能力や考え方価値観などをヒアリングするだけでなくさらに自社に合っているかどうかを確認しなければならないのです。
さらには応募者に自社のことを魅力に感じてもらわなければならないのでそれらを同時並行で行うとなると、実は面接と言う作業は非常に難しいことであるというのが改めて感じていただけるのではないでしょうか。
その難しい作業をトレーニングも無しにいきなり行っていたことが今までの面接だったと考えると、かなり多くの毀損が発生していると考えることができるといえます。
理由3:評価基準や優先度の認識の欠如
最後に3点目の理由が評価基準や優先度認識の欠如になります。
これは具体的に、面接官トレーニングでも解決できる点ではありますが、評価基準を実際どのように判断するのか、それらの点をジャッジするポイントを共通化していくことが大切です。
例えばよく【コミュニケーション能力のある方】が採用基準として設定されやすいのですが、このコミュニケーション能力とは実際どのような能力なのか、人によって考え方感じ方が違うのではないでしょうか。
まるで、友達が何百人もいて、毎週のように飲み明かすような人がコミュニケーション能力が高く、逆に真面目で一見するとあまり話をしなさそうな人はコミニケーション能力が低いと感じてしまっている人も多いのではないでしょうか。
ただ実際に仕事で使うコミュニケーション能力の観点で言うと、一見すると真面目であまり話をしなさそうな人であっても、相手の話をしっかりと傾聴して自分の意見を伝えることができればそれだけで、仕事におけるコミュニケーション能力の点では問題ないと判断することもできるはずです。
これら3つの観点が欠如することによって説明内容、選考基準、合否の基準がブレたりばらつきが生まれてしまうのです。
3、基準を統一する3つの対策
ここからは、ブレやばらつきが生じてしまった場合にどのようにして基準を統一していけば良いのか、3つの対策についてを解説していきます。
対策1:評価シートの作成
まずは最も手軽に取り組むことができる対策として評価シートの作成が挙げられます。
評価シートとは事前に社内の評価基準や人物をジャッジする際のポイント等についてを記載したもので、このシートを全ての面接官が共有して使っていくものになります。
場合によっては同じ質問をさせ、その反応によって合否を判断することの記載もしていきます。
評価シートの作成方法については、まずは採用基準から抽出してことをことをオススメします。
逆に良くない例としては、このような評価シートを作る際にはどうしても、チェックシートのような形になってしまいかねません。
例えば表情は笑顔かどうか、知性は正しいか、服装は適切か、声の大きさは問題ないか、このようなチェックシートのようなものになっているケースのことを指しています。
実際に面接評価シートの作り方で検索してしまうと、このような非常に表面的なチェックシートをサンプルとして掲載している会社が非常に多くなっています。
確かにこのような基準を設けること自体は決して悪いことではありません。
ただし本来今回の選考基準のブレやギャップをなくす意味で考えていくと、このような表面的なチェックシートを設けたとしてもとしてもミスマッチを防げませんし、さらには応募者に対して自社の魅力を感じてもらえることなどあり得ません。
このような役に立たないチェックシートでは、本当に人材の採用に役立つ事はないでしょう。
プロ人事がオススメするチェックシートとしては、以下のような内容をオススメしています。
例:学生時代の頑張ったことをヒアリングする
ガクチカを聞いた後、学生が話した内容をピックアップして、最低3回は深堀をする。
深堀の仕方の例としては
- なぜそれをしたのか
- その時にどう感じたのか
- 社会人になってそれをどう生かしたいのか
- もしもう一度今の知識のまま過去に戻ったとしたらどうするか
これらなどを一例に深掘りを行う
その上で応募者が真剣に考えている姿勢がどこまであるかどうかでジャッジしてください。
少しでも挙動不審だと反応や自信がなさげな反応の場合にはこれらのエピソードは盛られている可能性が高いため落としてください。
真剣に考えていれば、その姿勢に対して称賛の言葉を本人に伝えた上で自社であればどういった点がその経験に活かせるかをしっかりと伝えて下さい。
このようなものが本来あるべき採用において本当に役に立つ採用シートになるのです。
このシートを見ながら面接をしていくことで、応募者が本当に会社に合っているかどうかを確認することができるだけでなく、本当に応募者が自社に合っている場合にはその応募者に対して自社を魅力に感じてもらえるような人になっているはずです。
この上の文字だけでもかなり多くのノウハウが隠されていますので、ぜひこれらの間だけでもその話は参考にしていただくだけでもかなり作業においてはプラスに働くと言えるでしょう。
ちなみに、本コンテンツでは若干異なりますがプロ人事では評価シートの作成において、単なる評価のジャッジだけでなく面接官の応募者への入社後の想定の人柄なども記載することをオススメしています。
これは将来的に面接力を上げるためのデータとして活用していきます。
具体的には万が一入社してからミスマッチが生じたり、面接の段階では評価が高かった人が入社後に想定よりも能力が低かった場合、面接官がどのように評価したのかを振り返ることによってミスマッチを防ぐためです。
このように使い方など、単なる面接の評価シートは面接の評価のためだけのツールではありません。
こういったところを徹底的に改善していきたいと思った場合にはぜひプロ人事までコンサルティングのご相談をいただければ幸いです。
2:面接官トレーニング
理由等の点でも面接官トレーニングの重要性は記載していますが、やはり選考基準にブレやばらつき、説明などにも統一性がない場合には面接官のトレーニングがオススメです。
特に、面接と言う普段業務を行う人ではない場合にはこの面接官トレーニングは極めて大きな効果を生みやすいと言えるでしょう。
特に、エンジニアなどの採用の難易度が非常に高い職種をターゲットとしている場合は面接官トレーニングを導入を検討していただきたいと思います。
面接官トレーニングであれば、実際に課題を元に面接のロールプレイングをするだけでなく面接官のそれぞれの悪癖もある場合には指摘等も行わさせていただきます。
さらには動画を撮影しながら行っていきますので、具体的に悪癖等があった場合には、動画を見ながら指摘することで面接官の方々も納得性が高く受け入れやすい形になると言えるでしょう。
実際によくある例としては、面接官の方の態度が非常に偉そうな態度になってしまっていたり、癖でどうしても貧乏ゆすりしてしまう人が面接の場面でも貧乏ゆすりをしてしまって高圧的な印象与えてしまっている人もいます。
これはなかなか、他の人から指摘をしてもらえないだけでなく面接の場面なのでどうしても他の人からも見えない場面なので誰からも指摘をしてもらえません。
こういったところを面接官トレーニングでは改善していくことができるのです。
さらに面接官トレーニングの場合には、他社の採用競合の企業も面接官トレーニングを導入している企業が少ないことから、このタイミングで導入していることで、他の採用競合の企業との差別化にも繋がっていくので大変オススメな取り組みと言えるでしょう。
3:要件定義・評価基準を面接官も参画(迷ったときの判断基準の策定)
また3つ目の対策は非常に難しい対策ではありますが、採用したい人物像や要件採用基準などを決める際に面接官も参画して決めていくことで、これらのブレやばらつきを防ぐことができます。
そもそも採用基準等のブレやばらつきは、結局のところどこまで深くその基準を考えきれているかによります。
この採用基準や評価基準を策定する場合には、その深さがどうしても重要になるため、これらを一緒に作成することでブレやばらつきを防ぐことができるのです。
例えばコミュニケーション力のある学生を採用したいとなったとしても、そのコミュニケーション能力とは一体何なのかをしっかりと全ての面接官や会社として要件定義をしていくことが重要になります。
ただし比較的大きな企業や採用人数の多い企業の場合には現実的ではないのでなかなか難しい取り組みと言えるでしょう。
しかしスタートアップ企業や中小企業等の場合には、かえって取り組みやすいテーマでもありますし、他の企業との差別化にも繋がっていきますのでこの取り組みはとても良いと言えるでしょう。
このような形でより多くの人が採用に関わっていく考え方をスクラム採用と言いますのでまさに今の考え方のトレンドに合致しているといえます。
このスクラム採用は株式会社HERPが提唱し始めた採用手法です。
最後に
このコンテンツでは面接における選考基準におけるブレやばらつきについてを解説してきました。
面接官のブレやばらつきについては会社の規模等によっても大きく異なりますが、やはりあるべきものではありません。
そのためこれらをしっかりと是正していることをオススメしていきます。
特に対策1の評価シートは自社でも作りやすいのでこちらをしっかりとやることで改善を見込めるでしょう。
さらに他社との差別化などしていきたい場合は評価シートの作り込みをやっていますのでご興味があればぜひプロ人事までお問い合わせ下さい。
合わせて面接官トレーニング対してもお問い合わせいただけたらと思います。
また、こちらの記事では、網羅的にかつ徹底的に面接官トレーニングについて解説しておりますのでぜひ合わせて御覧ください。