リファラル採用を成功させるには何に気をつけるべき?失敗事例から学ぶ対策方法とは
近年、注目を集めている採用手法が「リファラル採用」。
リファラル採用とは、自社の社員が自分の友人知人にアプローチを行い、入社をしてもらうという海外では一般的な採用手法であり、国内でも近年浸透しつつあります。
ある程度の信頼関係がある知人や友人からの紹介であるため、入社希望者のミスマッチが起こりにくく定着率の向上が見込めるほか、採用コストを抑えることができるといったメリットがあります。
有名企業も数多く導入しており、成功事例もたくさんピックアップされていますが、失敗例も同じくらい報告されています。
「これから始めてみたい」と考えている人事担当者にとっては、ぜひ事前に知っておきたい情報ではないでしょうか。
そこで今回は、数多くのリファラル採用のコンサルティング・採用支援を行っている株式会社プロ人事のコンサルティングノウハウをご紹介しながら、失敗例とそれを防ぐための事例をご紹介します。
また、実際にリファラル採用を強化したい、新たに取り入れていきたいと考えている企業はぜひこの機会にプロ人事までお問い合わせください!
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1.リファラル採用で陥りやすい失敗
リファラル採用は採用コストを大幅に下げることができるだけでなく、社内の実態を知っている社員が紹介してくれるため、会社の考え方や価値観にマッチしやすくなります。
さらには、社員の友人知人であるため、能力値も見合った方の応募が来るなど非常に多くのメリットがあります。
しかし、始めてみたはいいものの、準備を怠ると失敗することもあります。
ここでは、実際によくあるリファラル採用のトラブルの事例を紹介しながら、採用のプロフェッショナルである「プロ人事」がおすすめする解決策や具体的として、どのようなリファラル採用制度を構築すれば、採用の成功に結びつくのかについてご紹介していきます。
1-1:社員への周知が不足している
リファラル採用の失敗として最も多いのが、社員への周知不足といえます。
「そもそも、リファラル採用って何?」と何も知らない人から、「興味はあるけれど、やり方が分からない」「リファラル採用でかかった経費って、本当に払ってもらえるの?」など、疑問に思いながらもわざわざ聞くほどでもないため、そのまま終わってしまう人もいるでしょう。
時には、同じ会社の社員であろうとも、部署が違っていると、人事担当者が採用に頭を悩ませていること自体、まったく知らない場合もあるのです。
報酬制度があることや経費を支払ってもらえること、あるいはやり方さえ理解できれば、優秀な友人知人を連れてきてくれる社員はいるはずです。それにも関わらず、取りこぼしてしまうのはあまりにもったいないことです。
1-2:経営陣や上層部の協力が得られない
リファラル採用では、社長や経営陣、上層部の協力があってこそです。実際に会社全体として力を入れていたり、トップに近い人の理解が大きいところほど、リファラル採用の成功率や浸透率は高くなっています。
少しずつ国内でも広まっているとはいえ、まだ新しい採用手法です。もしかすると、昔からある縁故採用と似たものだと勘違いしてネガティブな印象を持っている可能性もあります。
また、採用は会社の事業としてはサブ的要素であるため、重要視していない経営陣や上層部もいるかもしれません。
そういった会社だと、人事担当も積極的に動きづらくなって準備不足のため結果が出ない、ということが起こります。結果が出ないと上の評価も低いため、余計にやりにくくなってしまう…と悪循環になり、ますます成功から遠のき負のスパイラルに入ってしまいます。
1-3:短期間での成果が求められる
新たな事業を始めると短期的な成果を求められるものですが、リファラル採用でそれはご法度。
求人媒体や人材エージェントは募集ごとに何十、何百と応募がきますが、リファラル採用ではそうはいきません。紹介者となる社員の友人知人ということで絶対数が限られている上に、その友人知人が必ずしも積極的に転職を考えているわけではありません。
求人媒体や人材エージェントでは応募してこないような優秀な人材がいるのもリファラル採用のメリット。これまで普通とされていた形式的な採用手法ではなく、友人知人が誘ってくれるからこそ来てくれる可能性も上がります。
まずは1-1でも述べた社員への周知徹底が重要ですが、それを無視して短期的な目標を設定してしまうと、結果がなかなか出ないということになりかねません。
うまくいって優秀な社員が増え、同時に既存社員にもメリットがあったりモチベーションが上がったりすると、少しずつ結果がでてくるはずなのに、その機会を一度に両方失う可能性もあります。
1-4:一通り実施した後は停滞してしまう
リファラル採用を導入して、せっかく上手くいったものの最初だけで、あとは停滞してしまうことがあります。
紹介してくれる社員の友人知人の数は限られているため、一通り声をかけたら「もう他に声を掛ける人がいない」というのは充分に考えられます。規模の小さい会社ほど、紹介者となる社員も少なくなるのは当然のことですが、会社の方針や規模によって採りたいバランスはそれぞれです。会社によっては、「本当はもっと採りたいのにうまくいかない」ということもあるでしょう。
最初だけ盛り上がったはいいものも、その後に停滞してしまうとリファラル採用に対して社員が継続的にモチベーションを保つことも難しくなってしまうかもしれません。
2.リファラル採用を成功させるための秘訣
リファラル採用の失敗を減らし、成功に導くためにはどうすればいいのか、採用のプロフェッショナルである「プロ人事」が具体的な事例とともに紹介しましょう。
2-1:リファラル採用のフローを確立させる
紹介者となる社員への周知徹底や、経営陣・上層部への理解を深めるためにはフローを確立させることが大事です。その手順は
となります。順番に説明しましょう。
まずは自社のリファラル採用をどのようなものにするかを決めます。リファラル採用で採りたい人数や、求める人材像といった目的を明確にしたら、紹介者となる社員のメリットである報酬やその際に必要となる手続きを決めます。
報酬については、厚労省への申請が別途必要となる「職業紹介」にならないよう注意を払いつつ、賃金に上乗せした報酬にするのか、あるいは一回ごとにかかる食事代として支払うのか、有給に振り替えることにするか、など会社方針や社員のメリットを考えましょう。
この時に自社と同規模や同業種など、比較的近い会社でリファラル採用の成功事例などを調べることがおすすめです。
例えば、20人の社員だったのがリファラル採用で20人増えて40人になった会社と、400人の社員が10人増えて410人になった会社とでは、その意味が大きく違ってきます。
フローが決まったら次は社員に周知させるためのコンテンツの製作です。
掲載する情報を文書やプレゼン資料などに分かりやすくまとめて、社内向けサイトに配信したり社内に掲示します。
また申請に必要なフローについても、システムや紙面などの準備を整えます。
紹介者となる社員に向けてリリースし、説明会などを実施します。
報酬制度など紹介者にとってメリットになる情報を伝えることで紹介者に興味を持ってもらったり、申請方法についても簡単にできることをアピールすることで、「やってみようか」と思ってもらいやすくなり、ハードルをできるだけ下げることができます。
実際に運用を開始します。申請方法など全員が初めてなので、しばらくは人事担当が丁寧に対応する必要があるでしょう。軌道に乗ってからもフィードバックをかけて、改善点などを確認していきます。
報酬制度の1つとして、応募者である友人知人と食事に行く際の食事代を支払うという形にするのであれば、いきなり本格運用するのではなく、試験運用をするのもおすすめです。
2-2.社内への周知徹底
リファラル採用を成功させるためには、社内への周知徹底が不可欠です。
ここでは、「経営陣や上層部」と「紹介者となる社員」の2パターンについて説明します。
2-2-1:経営陣や上層部への理解を求める
人事担当が何よりも先にしておきたいのが、経営陣や上層部へ理解してもらうことです。
どれだけ認知しているかによって変わってきますが、まずは「リファラル採用がどういったものか」から始まって、「従来の採用手法よりも格段に経費が抑えられること」「より優秀な人材が獲得しやすい」など、会社にとっていかにメリットがあるかを知ってもらうことが第1段階です。
うまく受け入れてもらって、リファラル採用の運用が決定したところで万事OK、ではなく、むしろ次の段階でデメリットを伝えることの方が重要です。
「1-3:短期間での成果が求められる」でも説明したように、上層部への説明が足りないまま進めた結果、短期で結果が出せずに「やっぱりダメだったじゃないか」となると台無しです。
そこで「リファラル採用は中長期的に取り組むのが一般的」など、事前にデメリットも説明する必要があります。もちろんデメリットだけでは「そこまでして実施する価値があるのか?」と思われてしまう可能性もありますが、それ以上のメリットがあります。
このケースで言うと、中長期的に実施することで紹介者となる社員への定着率も上がり、最初の1回で終わるのではなく、継続していくことができます。すると自然とリファラル採用のノウハウも蓄積されていくので、より円滑に、効率よくすすめることができます。
長期的視点で見ると、従来の採用手法より圧倒的に費用が抑えられますし、優秀な人材を集めやすくなります。軌道に乗せるための初期投資と思えば、多少時間がかかっても良いと思ってもらえれば人事担当も焦ることなく取り組めるでしょう。
2-2-2:紹介者となる社員に周知徹底する
応募者と直接つながる紹介者への周知徹底は、言うまでもなく必須です。
紹介者のモチベーションとしては①報酬(インセンティブ)、②知人友人の役に立ちたい、③会社の発展に貢献したい、など人それぞれです。
必ずしも①報酬が目当てではなく、②③など人や会社への貢献に喜びを感じる人も多いので、できるだけ全ての人にとってメリットがあるような制度をつくった上で、説明もしっかり行いましょう。
紹介者は応募者と会社を繋ぐキーマンであるため、応募者側・会社側の両方について、もっとも理解が必要です。
リファラル採用を進めるにあたっての経費や報酬はもちろんですが、めでたく採用した後も、年収格差に不満が出たり、応募者と同調しやすいがために不満が募ったりと、フローについての理解の低さから起こりうるトラブルも多数あるのです。
採用するまでに注目しがちですが、意外なところに盲点があるので、事前にできる限りのトラブル事例を予想して周知徹底しておきましょう。
また初めて導入する際には、他社の成功事例なども紹介すると、自分に置き換えて考えることができるので、より身近に感じられます。
2-3:運用後のフィードバック
リファラル採用は、短期間で結果が出ないのは当然であり、長期間継続するほど効果はどんどん上がっていくものです。
また、上記で対策案を示したものの、まだまだ導入間もない採用手法ということもあって、一朝一夕で完成するものではありません。
成功するか否かは、紹介者となる社員のモチベーションが大きく影響するため、短期的な結果は出ないとはいえ、最初のとっかかりは必要です。そして、その後は安定していかに途切れることなく継続できるかが重要になってきます。
経営陣や上層部が不満に思わないように、「今年は〇〇だったからここがうまくいかなかった。だから来年は△△というやり方を取り入れてみる」など、具体的に考えていきましょう。
すぐに変化が出ない分、応募者や紹介者が納得できる条件設定になっているか、効率的に回っているか、それによる成果はどうか、などを検証することをおすすめします。
まとめ
今回は、リファラル採用で陥りやすい失敗例と、成功のための対策について紹介しました。
失敗で一番多いのは、紹介者となる社員への周知不足です。採用フローを作る側である人事はリファラル採用について理解していても、実際に動く側は意外と何も知らないことも多いものです。
準備不足のままだと、「報酬があるならやってみよう」「知人友人にぜひ紹介したい」と、紹介者が興味のある情報だけで動いた結果、後になって「そんなこと聞いてなかった」となるかもしれません。
また、「採用で困っている」など人事の間では常識であることが、一般社員でまったく関係のない部署だとまったく認識していない場合もあります。
リファラル採用はこれまでにない部署間を越えた協力が必要であるため、一般社員の立場になってフローを考えたり、よりモチベーションの上がる仕組みにすることが成功のカギになってきます。
採用に特化したプロ人事では、会社の規模や業界などあらゆるケースにおける対策をご提案できますので、リファラル採用の導入を検討、あるいは基本方針の策定に迷っている場合はぜひご相談ください。