スカウト代行・ダイレクトリクルーティング運用代行サービスのメリットとは??
「攻めの採用手法」として採用人事の間で認知が高まっている「ダイレクトリクルーティング」。大手企業や感度の高い中小企業では利用が進んでいますが、その良さをフルに活用できている企業は、必ずしも多くありません。
サービスを利用する企業の中には、そもそもスカウトの意味を取り違えていたり、ダイレクトリクルーティングやスカウトについて、従来の採用手法と同じように考えていたりすることもしばしばあります。このように勘違いしたまま運用すると、「大幅にコストが掛かってしまった」とか「マッチする人材を採用できない」という失敗に繋がる恐れもあるのです。
そこで今回は、現在のダイレクトリクルーティング運用やスカウトについての実情と、それを踏まえた同サービスの効率的な運用方法、そして運用代行・スカウト代行をおすすめする理由について解説します。
1.これまでの「スカウト」と全く異なる今の「スカウト」
採用人事における「スカウト」で勘違いされやすいのが、「これまでの転職サービスにもあったスカウトと同じではないか」ということです。しかし、言葉は同じでもその内容は全く異なります。
1-1.ダイレクトリクルーティング・スカウトとは
ダイレクトリクルーティングとは、人材を採用したい企業が転職や就職したい人に直接アプローチしていく手法です。
これまで一般的とされてきたのは、人事部が候補者からの応募を待つ「受け身の採用手法でしたが、ダイレクトリクルーティングはその逆をいく「攻めの採用手法」といえるでしょう。
ダイレクトリクルーティング=スカウトを同じ意味で使う方も多く、定義が曖昧になっていますが、厳密にいうと違います。
ダイレクトリクルーティングというのは、上記で説明した「攻めの採用手法」のことをいうのに対し、スカウトはそのフローの1つです。
スカウトの内容は、ダイレクトリクルーティングサービスに登録した候補者を抽出し、「うちを受けてみませんか?」という内容のスカウトメールを送って面接にこぎつけるまでのことをいいます。
1-2.これまでのスカウト
ダイレクトリクルーティングの前からある一般的な就活・転職サイトにもスカウト機能はありました。これはサービス運営社が、登録している企業にマッチする条件で人材を抽出し、就職希望者や転職希望者に「スカウトメール」を一斉送信するものです。
これは年齢や性別、所在地などごく一般的な基本情報のみを条件で絞ったものであるため、手軽に多数の人材を抽出できる反面、マッチする人材が見つかりにくいというデメリットがあります。
登録している人材の傾向としても「今すぐ就職・転職したい」という人が多いため、経歴や専門性も多種多様であり、マッチングの度合いについて見極めが難しいともいえます。
現在でもこのサービスはありますが、少子高齢化の影響で売り手市場という背景もあり、ニーズは減少傾向にあります。
1-3.現在のスカウト
対する現在のダイレクトリクルーティングにおけるスカウトは、「同じくサービスに登録している候補者の中からスカウトメールを送る」という点では「1-2.これまでのスカウト」と同じですが、条件抽出の方法が異なります。
サービス利用者である企業の欲しい人材をピンポイントで絞るため、学歴や経歴、専門分野などを細かく見る必要があります。
そこですぐに判別できれば良いのですが、学校や企業ごとに専門分野の名前や部署名、取り扱う商品名が異なるので、企業が欲しい経験をしているか、分かりづらい場合があります。
あるいは、例えば「法人営業で1,000万円以上の取引経験がある」という人材が欲しい場合、企業側が書いていてほしい情報を必ずしも候補者が書いているわけではありません。その場合は、候補者の経験や自己PRから推測するしかありません。
このように、ダイレクトリクルーティングにおけるスカウトは、1-2で示したように年齢や性別、所在地など一瞬で判断できるものではないので、圧倒的に時間がかかります。
ただし、ダイレクトリクルーティングに登録している候補者は、優秀な人材が多いのでしっかり活用できれば時間をかける価値はあるといえるでしょう。
1章まとめ
- これまでの「スカウト」
-
就職・転職サイトにおいて「年齢」「性別」「所在地」など大枠の条件で抽出する。
- 現在の「スカウト」(ダイレクトリクルーティング)
-
企業が欲しい条件をピンポイントで抽出する。
2.スカウト・ダイレクトリクルーティングの実情
ダイレクトリクルーティングを運用している企業は増えていますが、まだまだ活用できているとは言えない状況です。
その理由としては、ダイレクトリクルーティングを従来の就職・転職サイトと同等に考えてしまったり、作業量を低く見積もることで予想外に人事部への負担が大きいことなどが考えられます。
2-1.ダイレクトリクルーティング・スカウトは広告ではない
「新しいとはいえ、これまでの採用手法と大きく変わらないだろう」と思って、ダイレクトリクルーティング(スカウト)を運用すると必ず失敗します。
勘違いしやすいのは、従来の就職・転職サイトと同等に考えてしまうこと。1章でもその違いについて説明しましたが、また別の視点で見てみましょう。
従来の転職サイトは「求人広告」であるため、掲載さえすればあとは運営会社に任せることができ、企業側としてすべき事は多くありませんでした。
しかしダイレクトリクルーティングは広告ではありません。
運営会社は候補者と企業を繋げる「出会いの場」を提供するだけで、あとは企業側が積極的に運用しなければならないのです。「攻めの採用手法」といわれるダイレクトリクルーティングにおいて、受け身のままでは効果はゼロです。
そこで企業の人事は積極的活用を迫られます。これまでサービス提供側が行ってきた母集団形成を自社でやるところから始めなければならないのですが、蓋を開けてみるまで気づかず、いざ初めてみると作業量が想像以上に多くて大変だった、というケースも多いのです。
2-2.人事部で運用するにはマンパワーが足りない
当社の経験上、ダイレクトリクルーティングにおいては300~400人の候補者をスカウトしてやっと1人採用できると考えています。
そこで例えば5人採用するためには、単純計算で1,500~2,000人にスカウトメールを送らなければなりません。目標人数を抽出するためには、さらに数倍の候補者の情報に目を通す必要があります。
ダイレクトリクルーティングに慣れた当社でも、1時間あたりに抽出できる候補者の数は約60~100人程度です。不慣れな人事担当が実施した場合は、もっと時間がかかるでしょう。
日々の目標が課せられた各担当者が、毎日1時間以上かけてダイレクトリクルーティングの業務をすることはかなりの負担になるのは間違いありません。
また大手企業の場合は、人事担当ごとに大学が割り当てられている場合もあります。しかしダイレクトリクルーティングは出身大学などのカテゴリーで分けられる業務ではないため、後回しになりがち、というケースも聞きます。
2-3.ダイレクトリクルーティング・スカウトは短期勝負
ダイレクトリクルーティングを運用する際は、「3か月や半年などで目標人数を達成し、サービス利用を中断。またまとまった人数が必要になったら再度利用する」など、基本的に短期勝負で利用するところが多いです。
最大限にサービスを活用するためには、人員を増やしたいところですが、短期間だけ人事部員を採用する訳にもいきませんし、素人の契約社員に任せてしまうということもなかなか難しいでしょう。
結局、「在籍中の人事担当がするしかない」となるのですが、前項で説明したように通常業務に追われて後回しになり、結局、大した運用ができない、という悪循環に陥ります。
2章まとめ
- ダイレクトリクルーティングの作業量を従来の就職サイト・転職サイトと同等に考えるのは間違い。広告ではないため、受け身ではなく積極的運用が求められる。
- プラスαの人員が必要なくらい、作業量が多い。
- ダイレクトリクルーティングは3か月~半年など、短期間で運用することが多い。
3.ダイレクトリクルーティング運用やスカウト代行をおすすめする理由
2章で示したように、予想以上に手間のかかるダイレクトリクルーティングでは、人員を増やした方がいいのですが、短期間で人を切ったり専門的な仕事を依頼するのはなかなか難しいのが実情でしょう。
そこで活用してほしいのが、外部による運用代行です。
3-1.短期間のみ専門家に依頼できる
ダイレクトリクルーティングについて詳しい専門家に期間限定で依頼することで、人事部の負担を減らせる上に安心して仕事を任せることができます。
企業によっては、ダイレクトリクルーティングサービスを複数同時運用しているところもあります。サービスは会社ごとに特徴があるため、サービス内容そのものや登録している候補者の傾向も異なり、運用するには全て把握しておかなければなりません。
通常業務にプラスして、それぞれのサービス内容を把握し、使いこなすというのはかなり負担が大きくなります。また、一通り候補者を抽出した後に人数が足りずに再度検索する際、似たような候補者がピックアップされてしまうため、候補者選びは後になるほど根気強さとコツも求められます。
この点だけでも外部に依頼する価値はあると言えるでしょう。
スカウトメール文の内容についても、ノウハウを持っている会社であれば、上手くいった他社の事例を参考にしたり、KPIごとに内容を変えていくというテクニックも使えますので、マッチする人材を効率よくピックアップできます。
3-2.高効率・高コストパフォーマンス
自社で運用全てを行うことが最も節約になりますが、人事担当者の負担を考えるとそう簡単にはいかないものです。
まず不慣れな操作に慣れるまでに時間がかかり、操作に慣れたら次は数千人規模の候補者の情報について全て目を通さなければなりません。短期勝負のダイレクトリクルーティングにおいて、余計な時間をかけるのは人件費の浪費になる上、通常業務に悪影響が出てくる恐れもあります。
「1-3.現在のスカウト」で少し説明しましたが、ダイレクトリクルーティングの候補者抽出は想像以上に大変です。
年齢や性別、所在地、出身大学や企業程度なら比較的簡単に絞ることができるかもしれません。しかし、マッチする人材を探そうと「〇〇の経験が3年以上」「5人以上のチームリーダー経験3年以上」「新規の法人営業で1,000万円以上の取引経験がある」など、より詳細な条件がある場合、判断しづらいこともあります。
経験部署名や候補者の自己PRなどから、経歴を予測しなければならない場合も出てきますが、経験部署経験スキルは企業やプロジェクトによって名前もさまざまです。見ただけでは分かりづらかったり、文章が不得意な候補者だとさらに難易度が高くなります。
企業側が「選ぶ」立場の一括採用とは違って、「来てもらう」ための採用ということもあって、候補者の情報が分かりにくいからといって簡単に落とす訳にはいきません。自己PRの上手い下手ではなく、自社に必要な経験やスキルがあるかどうかを見極めることが重要です。
そこで、運用業務をノウハウを有する会社に委託することで、運用に関する人事の育成をする必要もなく、ダイレクトリクルーティング導入当初から負担なく効率的に実施することが可能となるため、総合的に考えると、自社で運用するよりも高いコストパフォマンスといえます。
3-3.その他ダイレクトリクルーティング運用やスカウト代行をおすすめする理由
このメリットについては当社に限った話になりますが、運用代行をしていて意外にも一番喜ばれるのは「プロの話が聞ける」という点です。
人事というのは他部署とは独立した存在であり、業務上の共通点もなくあまり相談ができない部署です。他社の実情を知りたくても限界があるほか、試行錯誤した結果、現場社員の不満を買うこともあったりして、普段から悩みがある人事担当が多い印象を受けます。
そこで採用のプロとして、さまざまな企業の人事を見てきた外部の人間が入ることで、業界の傾向を知ることができたり、的確なアドバイスを受けることができます。特に当社の場合は、採用全般についての業務を請け負ったりコンサルタントをしているので、幅広い知見をお伝えすることができます。
これまでにダイレクトリクルーティング運用代行をきっかけに、企業人事の改善点をアドバイスした例もあります。
3章まとめ
<外部のプロに代行を依頼するメリット>
- サービスごとに特徴を覚えたり、ピンポイントの条件で検索するにはコツが必要。短期勝負のダイレクトリクルーティングでは、短期契約を前提とした外部の専門家が最も適任と言える。
- 従来の採用手法と違って圧倒的に時間がかかるため、人事担当の負担を減らして効率よく仕事を回すのが最も高効率・高コストパフォーマンス。
- 代行を依頼する企業の人事担当は、意外にも運用代行そのものよりも「プロの話が聞けること」に価値があると感じている。
4.まとめ
今回は、ダイレクトリクルーティング運用代行やスカウト代行をおすすめする理由について、基本的な話から人事担当の実情などを踏まえた上で説明しました。
サービス利用者が増えているとはいえ、まだまだ理解が追いついていないところまるダイレクトリクルーティング。採用代行の会社として、数ある人事担当の業務の中でも、サービス運用代行やスカウト代行は外部に依頼する価値があるものだと感じています。
当社で可能な業務について、また別記事で詳しく解説しますので、気になる方はぜひお問い合わせください。