感染対策に配慮した対面面接とは?採用のプロが解説いたします!
新型コロナウイルスの流行に伴い、3密の回避やマスクの着用などの感染対策が日常生活に浸透して久しいです。
2025年現在では、新型コロナウイルスは5類に移行したものの、インフルエンザなど他のウイルスによる感染対策は依然として続いている傾向にあります。
一方、コロナ禍の際はオンライン面接を行っていた企業でも対面面接の再開を検討・導入しているところも増えてきている印象です。
そこでこの記事では、感染対策に配慮した対面面接の手法について解説していきます!

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「withコロナ」の時代にどのように対処するか
2020年に流行が始まった新型コロナウイルスですが、2023年に感染症法の位置付けが5類に移行しました。
これにより感染対策と社会生活の両立を意識した「withコロナ」の時代に突入しつつあります。
企業もリモートワークから原則出社に移行しつつある中で、オンライン面接から従来の「対面の面接」を再開する企業が徐々に増えてきている印象です。
一方で、新型コロナウイルスの流行はインフルエンザなど他のウイルスへの感染対策についても意識が大きく変わるきっかけとなりました。
そのため、従来の対面の面接ではなかった「応募者に配慮すべき点」なども面接官として配慮していかなければなりません。
また、対面での面接では引き続きマスクをして参加する求職者もいることが想定されます。
表情が見えにくいなか、応募者をどのようにジャッジ・判断していけばいいのか悩むことも多いでしょう。
withコロナの時代で面接官・企業が配慮すべき感染対策に加えて、応募者との関係性をしっかりと構築するポイントについて詳しく解説します。
【withコロナにおける注意点】感染対策の準備
前提として、対面の面接を行う際にはしっかりとした感染対策が重要となります。
特に新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症について、非常に敏感に気にしている学生や求職者も一定数おります。その学生に対して安心感を与える準備が必要となります。
ここでは、感染対策について配慮した対面面接特有の準備物について、細かな点も含めてご紹介します。

- 手指消毒用のアルコール
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最も重要なものが手指消毒用のアルコールです。
しかし、単に消毒できるものを置くだけでは不十分です。
中には次亜塩素酸などのように、アルコールの消毒効果と比べると非常に劣る消毒液もあるため、注意が必要です。効果的に消毒ができる濃度も意識しましょう。設置をお勧めしたい濃度の消毒用アルコール(エタノール)はアルコール濃度が76.9vol%〜81.4vol%です。
ただし、新型コロナウイルスの臨時的・特例的な措置として、60vol%以上のエタノール製品に関しては、消毒用アルコールの代用品として手指消毒に用いることが可能とされています。可能であれば消毒液の濃度についても大きく表記する事で、応募者には「この会社は感染対策を徹底している」と感じてもらうことができます。
- マスクの着用
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2025年現在、マスクの着用は本人の意向に委ねられていますが、感染対策を徹底するためには「不織布マスク(サージカルマスク)」の着用をしましょう。
サージカルマスクには、性能を表す基準としてBFE(細菌透過率)とPFE(微粒子透過率)があります。
BFEはそのマスクによって細菌の粒子が除去された割合を、PFEはそのマスクによって試験微粒子が除去された割合を表します。米国ではこれらの数値をもとにマスクのレベルを定めています。一番低いレベルである「レベル1」では、BFE・PFEともに95%以上を基準としています。このような規定を満たしているマスクを応募者の方にお渡ししたり、自由に取れるような位置に置いておく事が重要です。(手指からのウイルスの付着を防ぐためにも、個包装のマスクを用意しましょう。)
特に面接などではどうしても言葉を発するので、マスクが汚れてしまったりすることも非常に多くなります。そういう場合にもしっかりと感染対策が考えられているマスクを応募者に渡す事で応募者への印象を高めていきましょう。
また、マスクを着用する際は、鼻に隙間なくフィットするものを選ぶことも重要です。
面接官は必ずウレタンマスク等不織布マスク以外のマスクの使用を禁じ、その上で顎マスクや鼻を覆わないようなマスクの仕方を禁止するなど、規定することでより安心してもらえるでしょう。 - 空間の確保と室温の配慮
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感染のリスクが上がる「3密」を避けるために、以下の点に配慮して会場を用意しましょう。
・人と人の間隔を最低でも1メートル以上空けることができるか
・換気システムが十分に整っているか
・面接官と受験者の間にアクリル板やビニールシートを設置できるかまた、想定される面接の規模よりも余裕を持って大きな部屋を用意しておくことをおすすめします。
そして応募者控室を用意する際には管理の目が行き届きにくいため、応募者がドアや窓を締めたりしないように感染対策の案内などを記載しておくと良いでしょう。
同時に、室温が低く(高く)なりすぎないように配慮もしておく必要があります。
- 体温計の設置
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スタンドタイプのものを用意することをおすすめします。
手や額に近づけて使うタイプの体温計も出回っていますが、アルコール消毒のあとで手に近づけて体温を測ってもあまり意味を成さない場合や、そもそも体温測定のために応募者と測定者の距離が近くなってしまう可能性が考えられます。
そのため、会場入口に設置しておくだけで体温を測定できるものを準備しましょう。
コロナの前後で変化した対面面接のポイント
新型コロナウイルスの流行に伴い、対面面接の手法もいくつか変化しました。
コロナ禍によって今までの常識が大きく変わった訳ですから、面接においても新しい常識に順応できるように、人事担当者はその点を押さえたうえで採用活動を行うことが理想です。
コロナ禍によって変化したポイント
感染対策をとるなかで、他人との接触の機会が減少したり、マスクの着用を促されるようになったりとこれまでの生活スタイルが一変しました。
もちろん生活スタイルが変化しただけでなく、面接に関しても大きな影響を与えています。ここでは、面接におけるコロナ流行後の変化について、一度おさえておきましょう。
①お互いの表情が見えづらい
直近1年以内に対面面接を経験された面接官は実感したと思いますが、マスクの着用によりコミュニケーションが非常に難しくなっています。
マスクにより基本的に相手の顔の目から上しか見えることがないため、いかに表情以外を駆使してコミュニケーションを図っていくかが重要になります。
つまり、面接官としてのコミュニケーションでは、すこし大げさな笑顔や身振り手振りで話すこと、声のトーンを少し高くして話すことなどがおすすめです。
一方で応募者のコミュニケーション能力を測るのも難しくなっています。
マスクによって笑顔が分かりにくかったり、声が出しにくいせいで聞き取りにくくなったりしてしまう人もいるでしょう。
コロナが落ち着けばマスクを付ける生活も収束するはずですので、コロナ後のマスクが無くなった世の中でもコミュニケーションがしっかりと出来そうかどうかを見定めるように意識していきましょう。
同時にコミュニケーションが一見不得意そうに見えても、マスクであまり声を出せなくなっているだけかもしれませんので、貴重な人材を落とさないためにも慎重な判断が求められます。
②対面面接の機会が減少した
面接のほとんどがオンライン面接となった昨今、学生をはじめとする応募者は対面面接に慣れている可能性はほどんど無いと言えるでしょう。
ある調査では採用活動にオンライン面接を用いた企業は8割という結果が出ています。
そのため、応募者からするとそもそもの対面面接のマナー等、基本中の基本から不安に思っている人が多いと考えられます。
そういった点を踏まえると、対面での面接のマナーがあまり出来ていないからと言って、厳しく判断するのは得策とは言えません。
もちろん、コロナ禍でもしっかりと準備してくる学生がいるので、そのような学生と比べると準備が出来ていないと判断できますが、従来の学生と比べると対面の面接の頻度が少なくなってしまっていることを考慮した判断が求められます。
また、会社の雰囲気や実際の仕事のイメージなど、得られる情報が極端に少ないため納得できる就職活動ができていない可能性が大いにあります。
次の項でも紹介しますが、学生自身が悩んでいたり、相談できる機会が大きく減少してしまっているので、自己分析などが例年よりも浅くなってしまっているかもしれません。
今のコロナ禍の面接官に求められるのは「コロナ禍の状況を踏まえた適切な合否の判断」だけでなく、「コロナ禍の状況を活かして、学生との関係を構築していく」姿勢であることが言えます。
③学生が就活相談できる場が減少している
オンラインが主流になったことで、自宅で説明会も含めた就職活動が完結する場合が増えてきました。
そのため、就活生同士でコミュニケーションを取る機会が極端に減り、学生の業界研究のレベル低下や応募する業界が減少している危険性が考えられます。
具体的には、以前であれば教育系の企業の面接を受けていれば、帰り道などに他の学生とコミュニケーションを行って「人材業界も受けている」という話を聞けば、それをきっかけに人材業界も見てみよう、といった具合で他業界への興味を持つことがありました。
しかし、現在は他の学生とコミュニケーションを取る機会があまりないため、このようなケースは難しくなっています。学生が自主的に他業界も見ない限り、選択肢が増えることは考えにくいでしょう。
こういった点を踏まえて、
- 自己分析が出来ていない学生に対してのジャッジを厳しくしすぎない
- むしろその状況を活かして学生の悩みを聞いて上げるコミュニケーションを行う
以上のような取り組みが重要となってきます。
コロナ禍だからこそ特別に聞くべき事
そもそもコロナ禍においてわざわざ対面で面接をするという事は、何かしらで応募者に対して付加価値を提供していくことが重要になります。
担当者が面接で行うことは、従来オンライン面接で行っていた【応募者を評価・ジャッジ】【自社の魅力を伝える・仕事内容を伝える】ということが基本にはなりますが、コロナ禍の対面の面接においては【応募者の悩みを解消】という観点が必要です。
応募者を評価したり自社の魅力を伝えることだけで終わらず、対面だからこそできる悩みの解消や相談といったところを行っていくようにしていきましょう。
応募者との心的距離を縮めるための質問の例として、以下のようなものが挙げられます。
- 今まで対面で面接をしてきたか?
- オンラインが多いことへの悩みはなにかあるか?
担当面接官は、応募者に寄り添って、悩みを打ち明けてもらえるコミュニケーションを取ることを心がけましょう。
前述の通り、応募者は対面で話す機会が従来に比べ格段に減少しています。面接官の観点から、応募者の悩みに積極的に寄り添いましょう。結果として、企業のプラスイメージに繋がるはずです。
対面面接の注意点
コロナ禍の対面で行う面接の注意点として、以下3点を紹介します。
- 時間を掛けすぎない
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応募者はオンライン面接が主流になっている今日、足を運んで面接に来ています。
時間を取りすぎては伝わる魅力以上に「面接時間の長かった企業」という印象がついてしまう恐れがあります。そのため短い時間で十分に応募者とコミュニケーションをとることができるよう、前もって戦略的に対面面接の内容を設計しておくことが重要になります。
一言に「戦略的な面接設計」と言っても、企業に合わせ様々な形があると考えられます。
必要な内定承諾者の人数に対し、最終面接の倍率は何倍にするのか、そもそも1次面接や2次面接の倍率との調整など自社に最も合う面接設計にお悩みの場合は、ぜひ私達プロ人事にご相談ください。
プロ人事は、おおまかな選考フローの提案にとどまらず、面接内容の細かいコンサルティングも行いますので気軽にご連絡下さると幸いです。
- 対面だからこそできるアドバイス
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対面で顔をあわせたからこそできるアドバイスが必ず見つかるはずです。
面接担当者として、気になった点は良い点も悪い点も応募者に伝えてあげると親切です。
また、タイムラグを気にすることなく速いテンポで会話ができる点も対面の魅力です。
前述の通り、相談したいけれどできない就活生の悩みにも積極的に乗るようにすると良いと考えます。
また、「オンボーディング」という入社後スムーズに組織に溶け込むための声掛けがしやすいことも対面面接の特徴です。応募者の適性や性格を見抜き、個人に合った声掛けをするように意識しましょう。
- 会社の雰囲気が伝わりやすい工夫
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せっかくの対面面接、会社の雰囲気をしっかりと応募者にアピールする必要があります。応募者にとって重要な雰囲気とは、「ウェルカム感」つまり自分を歓迎してくれている雰囲気です。
そういった雰囲気づくりのために以下のような取り組みをおすすめします。
- 面接者への社員の挨拶
- 面接者へのちょっとしたメッセージカード
- 就活生が見れる場所に社内のイベントや取り組みを掲載
- 福利厚生や働くサポートする取り組みをさりげなく、見える位置に記載(例:従業員向けの無料の珈琲やお菓子、オフィス環境や有給取得率など)
まとめ
この記事では、コロナ禍における対面面接について、面接の準備物や押さえておくべき変化したポイント、コロナ禍の対面面接だからこそ注意すべき点について解説してきました。
対面面接は、オンラインが主流となった昨今の採用活動において「ミスマッチのリスクが少ない」「会社や仕事の雰囲気を知ってもらえる機会が多い」などメリットが大きいことは間違いありません。
現に、コロナ禍にもかかわらず、採用活動の全てを対面面接で完結させている企業が2割ほど存在しているというデータもあります。
しかしすぐに対面面接を増やすといっても、時間的な制約や人員の確保が難しい等簡単に実行に移すことは難しいと考えられます。
そこで私たちプロ人事の採用代行を活用し、説明会や面接などをお任せください。採用に必要な時間や人員を確保していくことで、よりよい採用活動につなげることができます。
ぜひ、プロ人事の採用代行を検討していただき、よりよい採用活動を実現していきましょう。
