人事・採用におけるアフターコロナ時代の採用の「新しい生活様式」とは!?
この記事では、コロナが落ち着きを見せているいまアフターコロナにおいて変化した制度や体制を存続させるべきか解説していきます。
2020年コロナが流行し、「新しい生活様式(ニューノーマル)」という言葉とともに我々の生活もコロナに対応した生活様式に変化していきました。
国民がそれぞれコロナ対策をとり耐え忍んだこともあり、最近ではコロナ感染者数も大幅に減少しコロナが落ち着いてきたこともあって、やっと「アフターコロナ」という言葉が現実味を帯びてきたのではないでしょうか。
そこでこの記事では、とくに人事部に関する「新しい生活様式」についてアフターコロナとなった場合どうするべきか解説していきます。
1:コロナ渦の「新しい生活様式」
「新しい生活様式」とは新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえて厚生労働省が感染拡大防止のために公表した行動指針ですが、どのように生活様式が変わっていったのか、あらためて確認していきましょう。
1-1 世の中編
・身体的距離の確保
「ソーシャルディスタンス」や「3密を避ける」という言葉とともに、人との間隔をできるだけ2M(最低1M)離すようにするとして、さまざまな場所で人との間隔をあけられるように対策がとられるようになりました。
・マスク着用
飛沫を防ぐため、できるだけマスクを着用することがすすめられてきました。食事中においても、基本、黙食で話す場合にはマスクの着用をするようにお願いするポスターなどが飲食店において掲載されている場面をよく見るようになりました。
・手洗い
家に帰ったら30秒かけて水と石鹸で手洗いをするというだけでなく、できるだけ着替えてシャワーを浴びて身体に付着したウイルスを落とすということも提唱されるようになりました。
1-2 企業編
・テレワークの推進
なるべく人との接触を防ぐべきであるとして人流を抑制するためにテレワークが推進されるようになり勤務形態が変わった方も多いでしょう。
・時差出勤
また、出勤についてもソーシャルディスタンスをとるためなるべく満員電車となることを防止するため出勤の時間帯をずらすといった対策がとられるようになりました。
・オンライン面接
なるべく対面での接触を避け感染リスクを下げ、そして人流の抑制の必要性からオンライン面接を導入した企業も多いのではないでしょうか。
1-3 コロナ禍の「新しい生活様式」まとめ
ここでは「新しい生活様式」としてコロナ対策によって変化したものの一部を簡単に紹介しましたが、とにかく人との接触を避け感染を防止するという目的であったことから特に対面して行われてきたものが変化し、企業においてオンラインを活用することが増えたのではないでしょうか。
では、コロナが落ち着きをみせアフタ―コロナへと時代が移行していくなかで「新しい生活様式」はどのような変化をしていくのでしょうか。
2:アフターコロナでは「新しい生活様式」を存続させるべきか?
コロナへの対応として急遽「オンライン面接」などの「新しい生活様式」を導入した企業がほとんどでしょう。
そして、オンライン面接を実際に導入したことで、今までは気付かなかったメリットであったり、逆にデメリットを感じるということもあるのではないでしょうか。
そこで、オンライン面接のメリットやデメリットをコロナ対策という観点から離れて一度ここで確認していきます。
2-1 メリット
➀遠方の応募者の負担緩和
これまで対面での面接では交通費や宿泊費などの事情から就活生の行動範囲が限られてしまうこともあり、面接を受けたくても面接地が遠く断念せざるを得ないという就活生が特に地方部で多くみられていました。
この点、オンライン面接は面接地との距離は関係なく自宅で受けることが可能となったため就活生にとって選択の幅が増えたと言えます。
そして、これは就活生にとってメリットというだけでなく企業にとってにメリットにつながってきます。
応募者の数が増えるということは、企業にとっての対象となる母集団が増えた可能性が高くなるということでもあります。
➁日程調整の柔軟性
対面で行う場合には、会議室などの面接会場を確保しなければならず、会場の確保との関係から面接日程を思うようにとることができないケースもあるでしょう。
特に新卒採用で忙しくなる3月は世間一般でも期末になっており、会議室の奪い合いという事象が多くの企業で起こりえていました。
この点、オンライン面接であれば会場を確保する必要はありません。
また、会場の確保が不要となる他に、面接官は通信機器とネット環境があれば面接をすることが可能となるので、場所を問わず、業務の合間や出張先などのスキマ時間を使って面接を実施することが可能となります。
このように、面接会場が不要となり、面接官の空いた時間をうまく活用することで面接日程の柔軟性を上げることが可能となるのです。
就活生は複数の企業の面接を同時に行っていますので、面接を受けたくとも日程調整がうまくいかずに面接を受けることができず断念するという方もいます。
これまで面接日程を確保することができなかったために欲しい人材を知らず知らずのうちに逃してしまっていたということもオンライン面接を使うことで防ぐことが可能となるのです。
2ー2 デメリット
1:表情や声から読み取れる情報が少ない。
対面とは異なりどうしても画面越しにやり取りをすることになってしまうため、対面であれば表情や声のトーンなどから細かい機微を感じることができていたことがオンライン面接だとできなくなってしまうという事態が生じやすくなります。
そのため、面接官にとっては採用の可否の要因となる情報が対面よりも少なくなってしまうというデメリットが上げられます。
またネットを介して行われるため、会話にラグ等が生じてしまいテンポが合わず面接官や就活生にとってコミュニケーションがスムーズに行えず双方にとってストレスを感じるということもあると言えます。
そして、結果的には「入社して欲しい人材」へのアプローチや意向醸成が上手くいかないケースもあり、結果的に入社して欲しい人材が他社に奪われてしまうという事象が生じてしまいやすいのもオンライン面接のデメリットとなっています。
2:通信機器またはネット回線のトラブルによる面接の中断
また面接を実施している際中に使用している通信機器やネット回線のトラブルによって面接がスムーズに行われないことや、最悪の場合には中断しなければならないといったこともあります。
対面であれば、面接を開始してしまえば中断等のトラブルという不安もなく終わっていたことがオンライン面接だと上記のリスクが生じてしまうということがあるといえます。
3:面接の種類や内容が制限される。
集団面接やグループディスカッション等の複数の人間の参加が必要となる場合に、ネット環境との関係で会話にラグが発生するといったことからオンライン面接には向いていないとして実施を取りやめる企業も実は多くなっています。
集団面接やグループディスカッションを取り入れている企業は他者とのコミュニケーションの採り方をみたい、そのような能力がある者に入社して欲しいと考えている企業にとってはオンライン面接はあまりマッチしていません。
このように面接の種類や内容が限定されてしまうと企業にとって欲しいと思える人材かどうかを検討することが困難となってしましうという事態が発生してしまいます。
3:どのような企業がオンライン面接を存続させるべきか
オンライン面接のメリットとデメリットをみてきましたが、ではどのような企業がオンライン面接を存続させていくべきなのでしょうか。
3-1:人気企業
人気の企業の面接を受けたいと考える就活生はすでに就職したいという願望が強く企業側から強く働きかける必要はありません。
また、受けたいと考える就活生が地方や都市部などさまざまな地域にいるということが想定されます。
したがって、広く浅く対応することが可能となるオンライン面接をメインに導入することでより多くの人材に出会うチャンスを作ることが大切なように思います。
また、企業にとって特に来て欲しいと思う人材について対面で実施することで信頼関係をより深く構築することで選んでもらえるようするということが可能となります。
3−2:不人気企業
不人気企業の場合、就活生には第2希望や第3希望で就職したいという考える者が多く、人気企業に比べると就職したいという願望はどうしても弱くなってしまいます。
このような場合には企業としては就活生側に強く働きかける必要があるといえます。
また、全国的に面接を受けたいと考える就活生が広く分布しているということも考えにくいでしょう。
そこで、間口は狭くなってしまいますが就活生との信頼関係を深く構築するために対面での面接を行っていく必要があるといえます。
4:まとめ
今回は人事部にとって身近にある「新しい生活様式」の一つであるオンライン面接にしぼってアフターコロナにおいても存続させるべきかを解説していきました。
オンライン面接に限らず「新しい生活様式」の一環として企業でも急遽取り入れたといた制度や変更せざるを得なかった体制等がたくさんあると思います。
導入して良かったというものから、やはり合っていないのではないかというものまで様々なものがあると思いますがコロナが落ち着きを見せたいま見直しが必要になってきたのではないでしょうか。
人事に特化したプロ人事だからこそアフターコロナにおける人事部の新しい生活様式を提案することができます。
また、こちらの記事ではオンライン面接のノウハウについて解説しておりますので、オンライン面接の実施についてお悩みの方はあわせてご覧ください。