これまでのスクラム採用とは違う!?コロナ対応型スクラム採用について解説!
この記事ではコロナ対応型のスクラム採用についてを解説していきます。
2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが発生しましたが、その前の2019年頃から注目されていたのが今回、解説する【スクラム採用】になります。
「スクラム」というのはラグビー用語で、2019年に日本でW杯が開催されたのをきっかけに「ワンチーム」などとともに知られるようになりました。
その結果、採用でもスクラム採用という考え方が注目され始めました。
この【スクラム採用】とは人事だけが採用するのではなく、営業や現場など今まで採用に関わってこなかった人も採用に関わっていくことで採用を強化していくというのがこのスクラム採用の考え方になります。
ただ、このスクラム採用は多くの人数が採用に関わることから情報の統制が難しくなっていしまったり、またその関わり方の多くが対面によるものであったことから、新型コロナウイルスの影響を非常に受ける手法でもありました。
しかし我々としてはこのスクラム採用の考え方は依然として重要な手法だと思っているため、新型コロナウイルスの影響を踏まえた新たな形のスクラム採用をご提案していければと思っています。
1:スクラム採用とは
そもそもスクラム採用(全員採用)とは何なのかを解説していきましょう。
スクラム採用とは人事だけでなく全社員で採用を行っていく手法になっています。
このスクラム採用は株式会社HERPが提唱しはじめた採用方法となっています。
全員で力を合わせて採用を行っていく姿がラグビーのスクラムのように見えることからそう呼ばれています。
具体的な手法としてはまだまだスクラム採用が確立されていないので様々ですが、人事担当者がプロジェクト担当者のような立ち位置に立って現場の人を指揮していくのが一般的です。
特にエンジニアの採用などでは重視されている観点になっています。
それではスクラム採用の具体的なパターンをいくつかご紹介していきましょう。
1−1:現場の担当者が応募者と面談を行う
面接とは別に現場の担当者が出てきて応募者へ魅力の訴求などを行うことは非常に有力なスクラム採用の手法とされています。
面接の場面でも、現場の話に関しては現場の責任者が出てくる場面も少なくありません
しかし、応募者からすれば面接では緊張のあまりイメージができないものになっていしまいがちでしょう。
スクラム採用ではそれを防ぐために、現場の担当者が応募者に近い視点で面談を行います。
この面談には選考要素がないものもあり、その場合は応募者と年齢が近い現場社員が本音ベースで応募者の話を聞いていきます。
このような面談によるメリットは応募者側だけでなく、副次的な効果として採用前の応募者と会うことで現場としても育成に対する心構えができやすく、スムーズに新入社員を受け入れることに繋がります。
1-2:リファラル採用
現場の社員が知り合いや友人を紹介するような採用手法のことをリファラル採用と言います。
リファラル採用=スクラム採用と考えられがちですし、それもあながち間違っているわけではないですが、現場社員が一緒に働きたい人を集めるのがこのリファラル採用になっています。
中には、友人や知人を紹介することで評価がアップするようなケースもあり、そのように紹介する側される側双方にメリットが有るような仕組みづくりが一般的になっています。
スクラム採用では、それ以外にも新卒向けにリクルーターを手配することなども行われています。
しかし新型コロナウイルスの影響でこれら様々な取り組みの多くが中々やりづらくなっており、スクラム採用自体がコロナ非対応型とみなされてしまうことも少なくありません。
スクラム採用に関する記事も段々と減っており、「テレワークが進んで同一部署のコミュニケーションすら難しいのに全員で採用なんてできない」といったものや、「同じオフィスにいても中々難しいのにテレワークで他の部署と連携を取っていくのは困難だ」といった風潮があります。
こちらの記事では、リファル採用について解説したものとなっておりますので、あわせてご覧ください。
2:プロ人事が提唱するコロナ対応型のスクラム採用
そんな状況の中で、我々プロ人事が提唱するコロナ対応型の新しいスクラム採用とは一体どういったものなのか、これから解説していきます。
コロナ対応になっているというのはテレワークなどでも比較的導入しやすい形にしているという意味です。
2-1:リファラル採用
まずは、新型コロナウイルスのパンデミック前からスクラム採用で重視されており、パンデミックの影響をあまり受けていないのがこのリファラル採用になります。
採用においてはこのリファラル採用がスクラム採用の肝になっています。
ただ、全く同じようにやっていくのではなく、コロナ対応を踏まえた選考フローの見直しをご提案させて頂いています。
これは完全に当社独自のノウハウになりますが、いくつかご紹介していきます。
まずは動画の導入です。
従来リファラル採用を行っていた場合、一般的にはカジュアル面談を設定していることが多かったと思います。
オフィスのフリーなスペースでコーヒーなどの飲み物や軽食、時間帯によってはアルコールを提供しながら文字通りカジュアルに行っていくものだったのではないでしょうか。
カフェのように軽食やアルコールを出しながら話をするような機会は、接点を持ち本音を聞き出すという意味では非常に効果的な手法ではあるものの、当然コロナ対応というところで感染症対策という観点からはあまり好ましいものではありません。
その意味ではカジュアル面談はかなりネガティブな手法になってしまっていました。
それを払拭するために有効なのが動画などを用いた情報提供の場面を持つことです。
新卒採用においてはこのようなことは説明会の中で行う一般的なものになっていますが、中途においては説明会という概念がそもそもなかったりします。
しかし中途採用においても説明会を設けることで会社のことを理解してもらう大きな助けになるでしょう。
動画の取り入れ方としては、会社によってフローの中に動画を見る場面を組み込んで半強制的に見る場面を作っているケースもあるりますが、あくまで参考情報程度にしている会社もあります。
半強制的にフローに組み込む事によって、興味を持ってくれている人に対しての情報提供を強める事が出来るメリットがありますが、逆にこの動画によってフローのKPIが劣後してしまう可能性もあります。
あくまでも、リファラル採用という観点で考えれば、参考情報として応募者に公開し、興味を持って貰っている人に見て貰うのが、理想と言えるでしょう。
同じリファラルでもコロナ対応のリファラルは以前のリファラルとは全く違うものだと思っていただいた上で、コロナ対応型のフローをしっかりと構築していくことが重要となります。
2-2:チャットによるオンライン窓口
また、コロナ対応型のオンラインの相談窓口を設けていくのも重要です。
これは一般のカスタマーサポートのようなものではなく、リファラル専用の相談窓口にしましょう。
オンラインでカジュアル面談を行っていってもいいですが、オンラインでのカジュアル面談は失敗しやすいです。
対面であればコーヒーやアルコールを飲みながらリラックスした環境で行うことができますが、オンラインではスムーズに進めることが難しくなります。
チャット形式であればそのようなただのチャットではなく、担当者がどのような人間なのかを記載して少しずつ仲良くなっていくことができるでしょう。
年配の方はイメージするのが難しいかもしれませんが、若者に普及しているマッチングアプリのようなイメージで事前にチャットを行いつつ徐々に仲良くなっていって、それからオンラインや対面の面談などもっと踏み込んだやり取りを行うのがおすすめです。
会社対個人というよりは個人と個人のような形でやり取りを行っていくのがいいでしょう。
事前にやり取りを重ねた上でオンライン面談を行えるためスムーズに進めることができるでしょう。
人によってはカスタマーサポートのようになってしまうこともあると思いますが、コツさえ掴めばかなりおすすめ度の高い手法になっています。
2-3:採用メンバーからのメッセージ
スクラム採用で是非取り入れていきたいのが採用メンバーからのメッセージです。
内定フェーズの際にぜひやっていただきたいのが配属部門からメッセージを送ることになります。
おすすめなのは手書きのものを郵送や画像で送ることです。
このメッセージは非常にコストパフォーマンスがいいので、当社のノウハウとしてあまり公開したくないのですが、このコロナ禍だからこそ是非多くの企業の方に使ってほしいと思います。
具体的にはアサインする先のチームメンバーからのメッセージを手書きで集め郵送と画像で送っていきます。
ただあまりにも稚拙な文章になってしまうようであればチームの全員ではなくチームリーダーと何人かにメンバーを制限してもいいでしょう。
文面としては、「君と一緒に働けるのを楽しみにしている」という旨で構いません。
可能であれば自己紹介を入れるともらった側もイメージをしやすいでしょう。
今回の記事ではチャットを使ったコミュニケーションもご紹介しましたが、やはり手書きのほうが心に残りやすいです。
実際の工数としても書くのに10分15分程度しかかからず、切手代もしれていますのでコストもほとんどかかりません。
ただ一つ注意点としては、まれに結婚している方にこのようなものを送ると嫁ブロックが発動してしまうことなどがあります。
しかしこのようなことは極めて稀ですので、頭の片隅に置いておく程度でいいでしょう。
我々のおすすめはあくまでダイレクトメッセージだけでなく郵送も取り入れることになります。
3:スクラム採用のデメリット
最後にデメリットをお伝えして終わりたいと思います。
コロナ対応型のスクラム採用のデメリットは基本的に通常のスクラム採用のデメリットと同じになりますが、現場の工数がかかるのが最大のデメリットでしょう。
当然本来は採用活動に関わらない社員に関わってもらうため、現場の負担は大きくなりますし、現場の理解を得るのは難しいでしょう。
しかしエンジニアの採用など難易度の高い採用では現場の方も人が足りなくて困っていたり採用の難しさをわかっていたりするので理解が得やすいかもしれません。
理解の程度に関わらず、人事側でプロジェクトマネージャーのような形でしっかりと調整、指示を行っていくのが重要になるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事ではコロナ対応型のスクラム採用について解説してきました。
スクラム採用は新型コロナウイルスのパンデミックに対してかなりアンマッチだと思われていますが、やり方によっては今回ご紹介したように良い手法にもなり得るものですので是非ご検討ください。
我々は採用のコンサルティング会社としてコロナ禍においても様々な企業の採用のサポートを行ってきました。
スクラム採用をやっていこうという名目ではなかったものの、現場と人事と一体になっての対応は数多く行ってきました。
そしてそれによってかなりの成果も上がっていました。
特に今回我々が提案させていただいた採用現場からのメッセージや窓口の設置のような現場が直接応募者をフォローするようなものには応募者側も肯定的なケースが多くありました。
現場としてはどういった人材が来るのか興味を持っているようなケースも多いですが、表立って言えるような環境が中々ないのが実情ではないでしょうか。
現場の希望や不満点を回収して採用に反映させられるというのもスクラム採用を行っていく大きな理由となるでしょう。
また、我々プロ人事では、新型コロナウイルスの影響が起きた2020年以降においても、スクラム採用のエッセンスを取り入れた採用コンサルティングを数多く行った実績がありますので、コロナ禍・アフターコロナにおいて積極的に採用を行っていこうという場合には是非お気軽にご相談ください。