人材紹介会社(エージェント)を賢く活用するための方法を解説します
人材採用において、人材紹介会社(エージェント)をうまく活用できていますか?
「もちろん、活用しているに決まっているじゃないか!しかし、全然推薦が挙がってこないんだ!」
と嘆いている方も多いかも知れません。
しかし、そういった人事や採用に関わる方の場合、人材紹介会社(エージェント)に求人の登録だけをして、実際に上手く活用しきれていないのではないでしょうか。
人材紹介会社(エージェント)は求人を依頼すれば自動的にいい人材を紹介してもらえると思っていたら実は大間違い。
人材紹介会社(エージェント)を徹底的に活用するにはノウハウが必要なのですが、これらはあまり世に出ていないものですので、簡単には身につかないともいえるでしょう。
そこで今回は、人材採用のプロフェッショナルであるプロ人事が人材紹介会社(エージェント)活用のノウハウをご紹介します。
また、代表の三宅は、インテリジェンス(現:パーソルキャリア)出身であり、人材紹介サービス「doda(デューダ)」の中でも、極めて難しい領域であるIT領域のキャリアコンサルタントとして活躍していましたので、そこでのノウハウをご紹介します。
もちろん、プロ人事の本業である採用のコンサルティングをご依頼いただければ、これらのノウハウをもとにした採用支援しサービスをご提供することが出来るので、こちらの資料で気になった方は、ぜひお気軽にプロ人事までお問い合わせください!
1.人材紹介会社(エージェント)の中身・組織の仕組み
そもそも、人材紹介会社(エージェント)とは何なのでしょうか。その定義から確認していきましょう。
1ー1:人材紹介会社(エージェント)とは?〜定義〜
人材紹介会社(エージェント)は職業紹介事業とも言われており、免許制の事業となっています。
基本的な構図としては人材を募集している企業と働きたい個人(新卒や中途)を結びつけるサービスになっています。
会社と個人を結びつける仕組みとしては求人広告などと同様ですが、求人広告の場合は【掲載料】で前払いの金額を支払うというシステムなのに対し、人材紹介は基本的に成功報酬型となっており、採用が出来ればお金を支払う、採用が出来なければ、基本的にはお金を支払わなくて良いというケースが一般的です。
初期費用が掛からないケースが一般的であり、人材の採用に成功しなければお金は掛からない事から、とても使い勝手が良いサービスと思われます。
しかし、その代わりに入社が決まれば、年収の35%程度と高額の手数料が掛かってしまう仕組みになっています。
例えば、年収が500万円クラスの人材を採用した場合、35%の契約であれば、175万円の成功報酬フィーが発生してしまいます。
この金額は決して安くはありませんが、求人広告を出して応募が来ないor応募が聞いても、自社が欲しい人材からの応募がないなどのリスクを天秤にかけると「多少お金をかけてでも、確実に人材を採用できるのなら」と人材紹介会社(エージェント)はを使っているケースが多いでしょう。
あるいは、エンジニアのように、非常に採用の激戦区の職種などをターゲットとする場合には、とにかくお金が掛かってでもあらゆ手法で採用を成功させていたきたいと考え、人材紹介会社(エージェント)はを活用してるケースが一般的です。
1ー2:2万社を超える人材紹介会社・業界構造
現在2万社を超える人材紹介会社があると言われており、その数は増加を続けています。
2万社の中には、非常に有名な企業でCMなどを積極的に行っているような大手企業もありますし、少数精鋭で運営しているよな、規模の小さいものも様々含まれています。
基本的には、それらの業者によって、行っているサービス自体は代わりはありませんが、その中身仕組みは大きく分けると総合型と特化型がの2つに分類されます。
総合型の人材紹介会社(エージェント)
大手の会社は総合型が多くなっており、リクルートキャリア、パーソルキャリアが業界1位2位を占めます。
総合型はどのような業界・職種でも対応できる人材紹介会社のことです。
特に大手企業の場合宣伝も積極的に行っているため、沢山の登録者がいますので、その分、多くの対象者に接点を持ちたい場合や多くの候補者から、選定していきたい場合には、非常にマッチしたものとなります。
スキル感としては、総合型であったとしても、スキルが低い人が多いというわけでありません。
登録者数そのものが多いため、当然、スキルが低い人も多く登録していますし、スキルが高い人も多く登録しています。
特化型の人材紹介会社(エージェント)
例えば医療系に強いM3キャリアのように、それぞれの業界・職種に特化した人材紹介・エージェントの事です。
少数精鋭の人材紹介会社(エージェント)もこのタイプが多くなっています。
業界・職種に特化した人材紹介会社の場合には、その社員もその領域に対して、深い知識や経験を有しているため、人材の選定や求人の告知等においても、効率的に対応してくれるケースが多くなっています。
また、少数精鋭の会社が多く、マンパワーがそこまで多くはないため、スキルの低い求職者への対応よりもスキルの高い求職者への対応に注力する傾向があり、スキルの高い方が多く集まる傾向があります。
一方で、少数精鋭の人材紹介会社・エージェンの場合には、会社の数がとても多いため、求人の発生、変更の都度に求人の伝達やレクチャーを行っていくと人事のマンパワーが不足してしまうという可能性もあります。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、人材紹介会社・エージェントを活用していきましょう。
そして、人材の採用を積極的にしていくのであれば、大手の人材紹介会社だけするのではなく、中小などの少数精鋭の人材紹介会社にも声を掛けていくようにしましょう。
1ー3:人材紹介会社の2つの社内の仕組み(両手・片手)
人材紹介会社には得意な対象業界として、全ての業界を管轄する「総合型」と一つに特化した業界に集中する「特化型」の2種類を解説してきました。
もう一つ、人材紹介会社・エージェントを分類する際には、社内の仕組みにも目を向けましょう。
人材紹介会社・エージェントの社内の仕組みも2つに分類する事ができ、業界用語では片手型と両手型と言われ、それぞれ違う仕組みで成り立っています。
この仕組みについては、理解しなくても人材紹介会社・エージェントを利用することは出来ます。
しかし、人材紹介会社・エージェントの中の働いている人がどういった視点・制度で働いているのかを理解することで、人材紹介会社・エージェントを徹底的に活用するヒントになるので、是非とも、この観点は最低限チェックしておきたいところです。
・片手型
片手型の仕組みは「企業側専任の担当者=リクルーティングアドバイザー」と「個人側専任の担当者=キャリアアドバイザー」が分かれて担当するモデルです。
企業担当・リクルーティングアドバイザー(RA)は求人の依頼を企業を訪問し、どんな人が欲しいかのヒアリングを行ったり、面接などを行った際にはその評価の確認などを行います。
一方、個人担当・キャリアアドバイザー(CA)は、転職・就職希望者の相談に乗り、ニーズにあった企業や求人を紹介するのが主な業務です。
この2つの役割を完全に分割して、別々の人が対応するのが片手型になっています。
片手型企業のメリットは人材紹介会社にとって規模を大きくしやすい点にあります。
法人部門と個人部門が独立しているため、例えば異なる地域の人材の採用など、規模を大きく身動きが取りやすいのが強みです。
一方で、どうしても双方の直接のコミュニケーションが存在しないため、、実際に会ったことのない人材の情報を企業に伝えるなど細かいニュアンスなどが伝えられず、情報として淡白になりやすいのがデメリットです。
このような片手型の人材紹介会社は日本では極めて少ないですが、人材紹介大手のリクルートキャリアやパーソルキャリアなどはこの業態がメインとなっています。
・両手型
両手型の人材紹介会社では、先ほどお伝えした企業担当(RA)と個人担当(CA)が担当を分けずに、同じ人間が担当します。
この場合は、例えば毎日転職相談に乗っているような片手型のCAなどに比べてどうしても専門性は落ちてしまいますが、企業と求職者のマッチングを丁寧に行うことができます。
この方式のメリットは求職者と会社の情報や意向を伝達のロスがなく伝えることができるところにあります。
担当者が求人を出している会社に直接出向き人材の性格などを直接伝えられたり、企業の社風などを自分の肌で体感し、それを自分の言葉で伝えることが可能です。
一方で、両手型では一人の担当者が法人や企業担当と個人担当の両方をしているため、一人の担当者が抱えられる案件の数が多くなりづらく規模が大きくならない欠点があります。
そのため、最大手の企業ではあまり取り入れられていませんが、大手以外のほぼ全ての会社がこの方式を採用しています。
2.人材紹介会社を賢く活用するノウハウ
人材紹介会社(エージェント)を利用している企業は非常に多いですが、プロの採用コンサルタントの立場から見た際としては、人材紹介会社(エージェント)を賢く使いこなしている会社は多くはありません。
殆どの場合、登録だけして優秀な人材を紹介してもらえるのをただ待っている、という消極的な利用にとどまっています。
利用している求人企業の中には「お金を払うのだからいい人材を紹介してもらえて当たり前」だと思っている人もいますが、そもそも成功報酬ですので、登録だけして中身がよく分からない会社はある意味で、人材紹介会社(エージェント)に取ってみれば、「お金が貰えるかどうか分からない求人企業」ですので、注力したいとは思えないのです。
また、前提として、優秀な人材は多くの企業が欲しい人材であり、多くの選択肢の中から行く企業を選ぶことができます。
さらに、それぞれの人材紹介会社(エージェント)には、多くの求人企業が登録しています。
この前提に立てば、人材紹介会社(エージェント)にとっては、余程の人気企業や、人材紹介会社(エージェント)ににとってメリットのある会社でない限り登録してくれた人材にわざわざ、その会社をオススメする可能性は高くありません。
なぜならば、人材紹介会社としては、どの企業に人材を紹介しても基本的に利益は変わらないためです。
だからこそ、人材紹介会社(エージェント)を徹底的に活用するためには、
応募者に選ばれる有名企業になるか、人材紹介会社の中で自社の評判を上げて、担当する営業マンに優先的に人材を紹介したいと思われるような企業になれるかどうかにかかっています。
当然、応募者に選ばれる有名企業に簡単になれる訳ではありませんので、後者の【人材紹介会社の中で自社の評判を上げる】のが、人材紹介会社(エージェント)の活用において重要なのです。
それでは、次に具体的に人材紹介会社の中での自社の評判を・認識を上げる方法を一部ご紹介します。
ノウハウ①:人材紹介・エージェントとの人間関係を構築する
実は、個人担当(CA)が登録者に求人を紹介する際には、かなり属人的にマッチング(求人を選ぶこと)をしています。
大手企業の中には、システムで自動的に紹介されるようになっていますが、求職者との面談の中で個人担当(CA)がオススメ企業ということで個別に語ったりする企業はその個人担当(CA)の経験や勘でその会社を選んでいるケースが多くなります。
つまり、個人担当(CA)がオススメしてくれる会社になれば良いのです。
そして、個人担当(CA)のオススメの基準はかなり属人的ですので、言ってしまえば、人間関係でもこれらの構築を実現することが可能なのです。
もちろん、個人担当(CA)もプロですので、単に「仲が良い」からオススメの求人とするわけではありませんが、一方全然情報を知らないような企業を「オススメ」とすることもあり得ません。
そういった意味では、人材紹介・エージェントとの人間関係をしっかりと構築していき、彼らとのリレーション構築が最も重要なのです。
それこそ、具体的には飲み会や関係性構築のオリエンテーションなどを行うケースもあります。
これらのノウハウについても、プロ人事にはあり、人材紹介会社の活用のコンサルティングも行っているので、お気軽にご相談くださいませ。
ノウハウ②:人材紹介会社・エージェントへのアプローチ(キャンペーン・表彰制度)
人材紹介会社・エージェントとの関係性を構築していく上で、非常に効果的なのが、キャンペーン・表彰制度を導入していくことです。
一時的に、求人の紹介などを強化してくれた人材紹介会社・エージェントや、その社内の個人に対して、キャンペーンを導入して、景品などをプレゼントする手法も効果的です。
さらには、自社の採用にとって、素晴らしい取り取組みをしてくれ人材紹介会社・エージェント・そして個人の担当者を表彰(アプローズ)する手法も効果的です。
こういった制度だけでなく、企業担当(RA)/個人担当(CA)の上司に何かある度に手紙・メールでお礼を言うことも効果的です。
上司たちは、当然部下をマネジメントしなければいけないので自分の部下がクライアントから喜ばれて、みんなの前で感謝状が届いたら発表するでしょう。
評価された部下は、もちろんモチベーションが高まりますし、部下を育てた上司の評価もあがります。さらに、それを聞いた他の個人担当(CA)はこの会社に紹介すればここまでやってくれるという印象を持つことになります。
ノウハウ③:書類選考で落とすな
事前に伝えたターゲットとマッチする人材を推薦され、書類選考で落とすのは禁物です。
そもそもマッチした人を書類の段階で次から次に落としてしまっては、彼らがどのような人材を紹介したらいいのかわからなくなりますし、そもそも【この会社は決まらない】ということで非注力扱いになってしまいかねません。
ましてや、オススメしてくれることは絶対にあり得なくなります。
なぜならば、個人担当(CA)にも立場があり、求職者にお勧めした会社をエントリーしえもらった上で、書類選考で落とされてしまっては、求職者から「この個人担当(CA)は使えない」と思われかねません。
ターゲットマッチする人材を見つけ、せっかくオススメして何とか応募して貰ったにも関わらず、そのように落とされると、個人担当(CA)から恨みを買うことにも繋がりかねません。
そういった意味では、落とす際には、単にその応募者だけを判断するだけでなく、その背後にある個人担当(CA)の気持ちにもしっかりと寄り添っていくようにしましょう。
ノウハウ④:権限を与え、約束せよ
人材紹介会社との間で約束事を作ることでかなり優先的に人材を紹介してもらえるようになります。
例えば、ターゲットにマッチした人材5人応募が来たら少なくとも一人は必ず内定を出す、というように採用に関しての約束事を設けるのです。
そもそも、人材紹介会社・エージェントは成功報酬で動いています。
しかし、内定が出てくれないと、成功に至るはずがありません。
即ち、本当に内定を出してくれるのか、疑心暗鬼になってしまっているとも言えるでしょう。
もちろん、これらは信頼関係ですので、底まで露骨に疑心暗鬼に思っている人は少ないものの、人材紹介会社・エージェントは本当に内定を出してくれるのか?と疑問には感じています。
だからこそ、約束をすれば、彼らは安心して、オススメしていけるのです。
あるいは、権限を与えるのも良いでしょう。
例えば、年齢や経験を言語化して、そこに当てはまる人は必ず、面接をするという具合に権限を与えてあげることで、彼らが自由に動ける幅が広がるのです、。
このノウハウだけでも、かなりの価値があるので、ぜひ検討してみてください。
ノウハウ⑤:担当者の質に左右されない求人コンテンツ作り
人材紹介会社の場合、求人票はその会社の担当者が作成します。
そのため、彼らの能力に依存してしまうのです。
だからこそ、彼らの能力・クオリティーによらない求人紹介のモデルを作りましょう。
例えば求人票に盛り込める情報の中にホームページのアドレスを記載し、自社のホームページに誘導して、アプローチするなど、求人コンテンツをしっかりと作っていくことで、応募者に魅力が伝わるような仕組みを作りましょう。
3.プロ人事について
今回は人材紹介会社の活用方法のノウハウを解説してきました。
当社には創業者を始め人材紹介会社出身の社員が多くいるため、ここに紹介しきれなかったリアルなノウハウもまだ沢山あります。
また、当社にはここで無料で公開している人材紹介活用法以外にも、説明会の資料作りや応募者のフォロー、内定辞退対策やオンボーディングなどの採用に関わるあらゆるプロセスにおいて膨大なノウハウの蓄積があり、ここで公開しているものはあくまでほんの一部です。
例えば説明会における資料作りは人事が自らやっている場合が多いと思いますが、プロ人事では資料作りを代行し、専門のデザイナーを用いてプロのクオリティで作り替えます。このように、従来自社で行っていたものを採用のプロの手で行うことで採用は見違える程変化します。その変化をもたらし、併走して採用を支えるのが当社のサービスです。一定期間併走することで弊社のノウハウを吸収していただいて自社の採用に生かしていただくことも可能です。
是非一度、お気軽にお問い合わせください。
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